デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

Charged (Bus Exploration):路線バスを利用したモバイルバッテリーシェアリングサービスの提案

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以前、取り組んだビデオプロトタイピングに関するプロジェクトをWebサイト上で公開しました。

ciid.dk

このプロジェクトは「Charged」と言うサービス名と「携帯電話やラップトップ等のモバイル機器を使用する人々にどうやって電力を供給するか」と言う課題が与えられ、それに対する解答をビデオで説明せよというもの。私はカナダ人のチャーリーと一緒にこのぷとジェクトに取り組みました。

プロジェクトはまず、アイディア出しからはじまります。どうやってバッテリーをユーザーに届けるか。「ドローンなんか良いんじゃない?」「それよりももっとソーシャルに、UberやAirbnbみたいに人と人とをマッチングさせるサービスはどうだ」「大砲みたいなので、どこかから打ち込むとかはどう?」「移動式のコーヒースタンドみたいに、移動式の充電スタンドがあっても良いのでは」など、現実的なアイディアからぶっ飛んだアイディアまで様々なアイディアが出てきます。色々出てきた中でも、我々が最初にこれで行こうと考えたのが、ユーザ同士をマッチングさせて電力を融通しあうソーシャルバッテリーシェアリングサービス。

しかしながら、他のチームを見渡して見ると同じようなアイディアを持っている人がわりとおり、これはいかん、いまいち面白く無いなと方針を変更することに。実際、教授に相談してみても「あぁ、それはtoo safeだね」と言う反応。「ここはスタジオだ。いくらでも失敗が許される。失敗したって大丈夫だから、もっと挑戦しなきゃ」とのコメントを頂きます。そんなわけで、もうちょっとチャレンジングなアイディアを提案してみようかとなったのがこちらのコンセプト。まずはビデオをご覧頂くのが良いかと思います。

vimeo.com

基本的なアイディアとしては非常に単純で、路線バスの壁面にバッテリーパックがぶら下がっていて、利用者はそこからバッテリーを取り外して使用し、使い終わったらまた元に戻す、と言うもの。

バッテリーの供給サービスを行うためには、街中にレンタルのための機材を設置したり、それらのメンテナンスを行う必要があり、それらには当然ながら時間とコストがかかります。我々のアイディアでは、機材を設置するのはバスの側面なので、バス会社と話を付けさえすれば一瞬にして設置の問題が解決出来ますし、バスは基本的に車両基地に戻ってくるものなのでメンテナンスもまとめて行う事が出来ます。

更に他のメリットとして、そもそもバスの乗客を増やす効果もあるのではないかと言う話も出てきました。特に都市圏において、走行中のバスを見かける事は多くあるものの、普段バスを利用しない人は、バス停がどこにあるか把握していない事が多いのではないでしょうか。このサービスを展開することによって利用者はバス停留所の位置を認識し、それが結果として利用客増加と言う効果も見込めるのでは無いかと考えました。

なお、このビデオを作成するに当たっては、幾つかの段階に分けてプロトタイプのプロトタイプを作成しています。まず、一番最初に作成したビデオがこちら。

vimeo.com

レゴで町並みを作り、ユーザーがどのようにしてサービスを利用するかを説明する構成となっています。これだけでもサービスの概要が伝わるかとは思いますが、このビデオを元に更に議論を重ね、どうしたらこのサービスがもっと魅力的になるかだとか、どうやったらビデオを見ている人にもっとサービスのコンセプトが伝わるかなどを検討しました。なお、実際に人物がサービスを利用する様子を実写で説明するところまで行きたいよねと言うのが我々の目標。

とはいえ街中で最終的なコンセプトビデオを撮影する前に、どのようなカットが必要で、どのように編集するかなどを検討するために簡単なビデオを作成しました。それがこちら。

vimeo.com

そして、このビデオを元に撮影を行い、諸々の編集を行って完成したのが冒頭にも紹介したコチラのビデオ。三種類の動画を見比べて頂くのも面白いかと思います。

vimeo.com

事前に、紙でカット割りや編集方法を検討していたおかげで撮影自体も大変スムーズにかつ短時間で済ます事ができました。同じようなものを何度も繰り返すと言うと、一見めんどくさそうに見えますが、このようにして徐々にクオリティをあげて行く事は、プロジェクトの方向性を確認したりアイディアをブラッシュすると言う観点から見ても有効なのかなと思っています。

最後に、このプロジェクトに関する記事は、下記の記事でも少し触れているのでもし良ければ御覧ください。

ddcph.hatenablog.com

ddcph.hatenablog.com