デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

ユーザインタビューの内容をいかに解釈するか

下記に引き続き、GUIに関する授業を受けて居ます。

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上記2つにの記事で書いた通り、まずは自分たちが提案するアプリケーションがどういうものかを考えるところから始まっているので、GUI云々は実はあまり関係ありません。つまり結局のところ今週は、課題探索と、コンセプト創出のフェーズと言うのが正しいかも知れません。もちろん、これらの作業がGUIと直接関係無いとは言っても、デザインというプロセスを通して見た際に重要であることは疑う余地もありません。

さて、自分たちのアイディアをテストしたあと我々が苦労したのは、ユーザーテストの結果をどのように結論づけるかという点。

以前、マーケティングリサーチとデザインリサーチの違いでも少し説明した事ではあるのですが、デザインリサーチにおいて、質問票のようなものは使いません。

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もちろん、予め聞きたい事をリストアップしたりするし、その中には定量的に評価可能な項目も含まれている事があります。例えばあなたは一日に何時間ぐらいスマホを使いますか?という質問をするかも知れませんし、その結果、平均値を出す事も可能でしょうが、決してその数値に注目するわけでは無いという事です。

つまり、5人にインタビューをして、そのうち4人が我々のアイディアをアリだと言ったからと言って、我々の提案には可能性があるのような単純な結論づけができないわけです。その四人はおそらく、生活スタイルも違うだろうし、趣味趣向にも差があれはずです。どういう人が、どういうコンテクストで、どう考えて、我々のアイディアをどう評価したのかが重要であって「あり」と言ってくれた事が重要なわけではありません。逆に言えば「ナシ」と評価したからと言って彼の意見が軽視されるわけではなく、彼の中でその結論に至るまでのプロセスからは多くの事を学ぶべきです。

我々のチームにおいても、ユーザに我々のアイディアを説明して、多くの意見を集める事が出来ました。中には、当たり前ではあるのですが、我々が想定していなかった角度から我々のアイディアを良いと評価してくださった方もいて、新たな発見も多くありました。

ただし、これらのプロセスについては、おそらく定型化出来るものでは無いのだろうなと思いますし、その場に居た人にしか伝わらないものでもあるのだろうなと思います。この文章化しにくい情報を整理してストーリーとして伝えプロジェクトを進めて行く事もデザイナーの仕事のひとつなのだろうなと思うのですが、ここで多くの学生が苦労していたようにも思います。私はなぜか昔からこの類の作文が比較的得意だったので、こういう風にまとめたら良いんじゃ無いの、と提案しつつプレゼンを組み立てたのですが、もしかしたら私が云々というよりもこの手の作業って日本人が比較的得意な分野なのではと少し思ったりもしました。