デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

スピードをあげるためには技術が必要

CIIDでは、各授業の終わりに、クラスのみんなで振り返りと言うか、ディスカッションを行います。例えば、先週は、Video Prototypingの授業だったのですが、この授業を通して、「こういうことを学んだ」だとか「プロジェクトの中で、こういう事があったんだけど、どうするのが正解だったのか」など、ざっくばらんに話し合うわけです。

その中で印象に残っているのが技術力の差に関する話題。技術力について。

例えば、私のチームは、Premiere Proでの映像制作やらグラフィックデザイン経験が豊富な人と、ハードからソフトまで、フィジカルな、いわゆるモノ作り経験豊富な私の2人チームだったわけですが、お互いそれぞれ自分が得意とする領域で、大抵のアイディアをそのまま、あるいは作りながら改善していく程度の余裕がありますし、何をどうすればどういうものが出来上がるのかがわかっているので、作業時間の見積もりもほぼ正確で、短時間でそこそこのクオリティの物を作る事が出来るわけです。

これがどの程度スピードに貢献したかというと、当初、先生からはLow Fidelity Prototypeを作ってからそれを元にHigh Fidelity Prototypeを作るように指示されていたにも関わらず、あまりにも余裕があったために、途中でコンセプトの方向性を大きく変更したにも関わらずLow、Low-Middle、Middle-High、Highと4段階ものプロトタイプを作ったうで、毎日夕方にはそれぞれ家に帰っていた程度。

これが他にチームの場合、慣れない映像制作やモノ作りに手間取りまくったあげく締切当日朝まで作業してなんとか間に合ったとかそういうレベルなわけです。しかも、作業時間を大きく取らなければならないと言う事は、コンセプト作りに時間をほとんど取ることが出来ませんし、出来上がった物を見ながら修正したり更に良くするにはどうすれば?などを考える事も出来ません。

ddcph.hatenablog.com

以前、上記のような記事を書いたのですが、スピードを重視するのが大事だよ!って言うのは簡単ですが、そのスピードを確保するためにはある程度の技術や経験が必要なのだなぁと思った次第。