デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

人はバイアスの塊であるということ

インタビューも順調に進み、この3日間で10名の方からお話をお伺いする事ができました。インタビューさせて頂いた内容についてはリッチプロフィールという形で簡単にまとめてそこからインサイトを抽出していくのですが、その話をする前にバイアス(思い込み)について少し書こうかと思います。

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上記の記事のなかでは、ハミガキの仕方について同級生にインタビューを行う事によって、自分のの中にある思い込みに気づくというワークショップについて説明しています。

ハミガキだけでなく、世の中のすべてのものに対して人は何らかの思い込みを持っています。それらの思い込みの存在は、クリエイティビティに無意識に制限をかける事もありますし、リサーチの中にある大切な気付きを見逃してしまう事もあるかも知れません。とは言え、人である限り何らかの思い込みは持っていて、完全に思い込みを排除する事は不可能です。大切な事は思い込みを持っているという事を正しく認識する事であり、ダイバーシティのあるチームというものはこういった点でも効果的に働きます。

では、私自身が写真に関するリサーチを行う前に持っていた思い込みというものは何か。それについて書いておこうかと思います。

まず、多くの人は私のように、スマホとコンパクトデジタルカメラを適時使い分けており、たまに一眼レフのようなものも使っていると思って居ました。しかしながらそもそも一眼レフを持っている人というのは世の中を見渡してもそもそもあまり多くないですし、写真を撮るという行為において、デジカメとスマホを使い分けている人という人はそもそもそんなに多くない可能性があります。少なくとも私が話を伺った中では、スマホで写真を主に取るという人はコンデジを持っていたとしてもコンデジをめったに使わない人が多いですし、コンデジを中心に使用しているという人に話を効くと、スマホのカメラはめったに使っていないとのことでした。

また、撮影後の写真についても、私自身は、コンデジの写真も、スマホの写真もすべてGoogle Photoにアップロードし一箇所にまとめて管理をしているため、他の人も、Dropboxか、iCloudか何のサービスを使っているかは分からないが、何らかのサービスを用いて写真を管理しているのだろうと思って居たのです。ところが実際に蓋を開けてみるとPCのフォルダで管理しているという人が圧倒的大多数でいかに自分の使い方が少数派であったかという事に驚かされるわけです。

このように、実際のユーザに対してリサーチを行わずに自分の思い込だけでアイディアを作ってしまうと、実際のニーズからはかけ離れたものになってしまう可能性もあります。ですから、実際のユーザが、どのような事を考えて、どのような事を行っているのかを理解してインサイトを抽出し、オポチュニティを探し出すという流れが基本的なプロセスになるわけです。