デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

お互いに学び合うカルチャー

今週はMaterials of Electronicsの授業を受けて居ます。講義のタイトル通り、電源、バッテリーとは何かというところからはじまり、抵抗とバッテリーとLEDをつなげて光らせて見たりだとか、ハンダ付けに挑戦してみたりだとか、電気を通す素材(電導性の糸だとか布だとか)についての説明があったりだとか。

正直なところ、私のバックグラウンドはコンピュータサイエンスだという事になっているわけですが、高専の情報処理工学科では電気回路の基礎だとか実験だとかみっちりやってきているわけです。それに加えて東大阪でとある小型人工衛星の開発なんぞやってた時には、Javaのソフトウェアを書ける人を探しているという触れ込みだったはずなのに、なぜかFPGAでCPUを制御するシステムを作ったりだとか、FPGAを載せるためのプリント基板の設計をやったりだとか、ロケットから人工衛星が分離された後に人工衛星が自動的に変形する(ロケット搭載時は容積を節約するために、小さく折りたたまれているのです)システムを作ったりだとか、会社に入ってからもなんだかんだで小さな回路を作る機会はあったので、プロのバリバリの電気屋さんとまでは行かなくても、それなりの知識や経験はあるわけです。

前置きが少し長くなってしまいましたが、そういう状況において、私がこの授業を受ける意味はあるのか。あるとしたらどういう点なんだろうか、というのを考えておりました。

でも、こういう状況っていうのは私だけでは無いはず。CIIDには様々なバックグラウンドの人がいます。ビデオや写真を生業にしていた人に取っては動画関連の授業なんて退屈そのものだっただろうし、社会学系のバックグラウンドを持つ人に取ってはリサーチ系の授業でやったことなんて、これまで何度も何度も経験してきた内容だったかもしれない。多様なバックグラウンドの人たちを集めて授業を行うというのは、こういうデメリットもあるんだよなぁとかふと気がついたのでした。

もっとも学生同士でお互いに教え合うというのもCIIDのカルチャーのひとつではあり、他の授業では私も他の学生に大変お世話になっていたのも事実であるから、この機会に少しでも恩返しできればと思っては居ます。また、以前にも紹介したようにCIIDの授業はLearning By Doingをモットーとしており、各授業の中で何らかの作品を作る事が求められているので、これまでの知識や経験をもとに何か良いモノを作れればそれはそれで意味があることなのかなとも思います。