デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

インタビューの内容をまとめる

インタビューを終えたあとはリッチプロフィールの作成に進みます。

授業でやった内容としては、インタビューを作成したあとはリッチプロフィールと呼ばれる資料を作ります。リッチプロフィールに関しては下記の記事を見て頂くのが良いかと思います。

ddcph.hatenablog.com

ただし、この資料に限った話ではないのですが、こういったものを作るにあたって必要なのは「何のために資料を作成するのか」ということ。

もちろん手順正しくデザインプロセスを進めて行くことは大切なのですが、盲目的にプロセスに沿っていくだけではなく、この仕事は何のためにする必要があるのか、何のためにしているのかを常に意識する必要があります。

例えば、リッチプロフィールを作成する目的というのは、どんな人にインタビューを行い、どのような知見を得られたかを明らかにし、チーム内であったり、クライント先と共有する事です。

チーム内に対して、と言うのは特定の人にインタビューして、チームメンバー全員がその場に居合わせていたとしても、そこから得られる解釈って本当に人それぞれなんですよね。ある人は発言Aが大事だと思うかもしれないけれど、他の人から見れば発言Aと言うのは大したことが無い内容だと思ってしまうかもしれません。

また、特定の事柄に対して言及したとしても、それを肯定的に捉えているのか、否定的に捉えているのかと言うのは、解釈する人によって違って来る場合があります。インタビューの内容をまとめて誰もが見えるようにしておく事で、そういった思い違いを少なくする事が出来ます。

また、クライアントに対しては、プロジェクを通したデザインの結果だけでなく、そのプロセスを説明する必要もあります。例えば、Bというアイディアが良いですとだけ説明するのではなく、なぜBというアイディアが良いのかを説明する必要があり、その際にはこういったリサーチを行いましたとか、こういった人にインタビューを行い、こういった意見を得られましたなどを資料化しておく必要もあるわけですね。

ところが、ファイナルプロジェクトのように一人で取り組むプロジェクトではチームメンバーも居ませんし、クライアントと言うのも存在しません。アドバイザーはたしかに居ますが、それはあくまでもアドバイザーであり、チームとして一緒に作業するというよりは、適時報告したり相談するような関係ですから、クライアントとは少し違います。

このようなプロジェクトにおいて、リッチプロフィールを作成する必要があるか?と言うと、必ずしも必要では無いわけですね。もちろんインタビューの内容をまとめる必要はあるわけですが、それは自分自身がわかればよいわけです。であれば、インタビューの内容から、必要な箇所を抜き出すことができればそれでよくて、例えば私の場合であれば、カメラをどのように使用しているか、その後の写真をどのように整理し活用しているか、その他印象的な発言を抜き出してテキストでまとめておけば、後ほどの分析に使うには十分だったりするわけです。

最初は、すべてのインタビューについてリッチプロファイルを作成しようとしていたのですが、アドバイザーから上記のような項目について指摘を受け、なるほど、ちゃんと考えて仕事しなければならないなと改めて思った次第です。