CIIDのカリキュラムの中には、インダストリープロジェクトと呼ばれるものがあります。インダストリープロジェクトというのは実際の企業が持つ課題であったり、プロジェクトなどに学生が取り組んで提案を行うもので、言ってみれば実際のデザインファーム、イノベーションファームの仕事内容を体験出来るようになっています。
基本的には、既に取り組んだような、コペンハーゲン図書館であったり、スポーツ施設のプロジェクトに近いもので、クライアントが営利企業であるという点を除けば、そこまで大きな違いと言うものも無いように感じています。
これまで我々が取り組んできたPeople Centerd researchのプロセスに沿って、リサーチを行い、リッチプロフィールを作成して、インサイトを抽出し、オポチュニティを設定し、アイディアチャレンジを行い、プロトタイピングへと進めて行きます。
他のデザインスクールでも同様なのかもしれませんが、CIIDで良いなと感じる点のひとつは、こうしたプロセスに沿ったデザインワークを行う点が挙げられるように感じています。プロジェクトの内容はそれぞれ違うものの、プロセスに沿ったデザインリサーチが学生に求められ、学生は徐々にではあるもののこのプロセスに慣れて行き、じきに使いこなせるようになっていきます。
以前、他の人と話をしていて、デザイン思考のようなデザインプロセスと言うのは武道の型のようなものであって、それを繰り返し練習して身に付けていくことで、様々なシチュエーションにおいて使いこなせるようになる、と。CIIDではそのための機会が多くあり、各学生がプロセスを理解し、使いこなせるようなカリキュラムになっている点が非常に良いなと感じて居ます。