デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

サービスのグロースについてPinterestのデザイナと学ぶ

今週はPInterestのデザイナさんを教授に迎えて引き続きサービスデザインに関する講義を受けて居ます。ただし、同じサービスデザインと言っても先週までは図書館と言うリアルな場のデザインであったのに対して今週はPinterestのようなWebサービスであったり、もしくはスマホのアプリのようなオンラインサービスを対象としています。

私自身、過去にWebサービスの立ち上げに携わった事もあったし、改善の相談を受けたりもあります。そもそも未踏ではWebサービスの最適化に関するプロジェクトに取り組んで居たので、この辺りに関する知識は一通りあるつもりなのですが、それでもやはりPInterestという大規模なサービスに関わっている方から直接授業を受けられるという機会というのはなかなか無いし、内容もなかなかに面白い。

授業の進め方としてはいつもどおり、講義を行ってはグループワークを行い、発表からのディスカッションを繰り返すという内容。講義は基本的にはオンラインのサービスを以下にグロースさせるかという話が主でした。いかにして生み出すか、ではないんですよね。おそらくオポチュニティ探索やコンセプト作成に関してはこれまでに散々やって居る話でもあるので、今更やるようなことじゃないよねという判断なのでしょうか。

いかにしてグロースさせるかに関しては、例えばいかにしてユーザを集めるかであったり、エンゲージメントを得るかだったり、マネタイズに関する事だったり、オンラインサービスを考える上では避ける事の出来ない部分を基礎の基礎から話つつPinterestの事例についても紹介するいう非常に興味深い内容でした。

なお、グループワークに関してはいくつかの部分に別れて居たのですが、例えば集客に関する講義を行ったあとに、ではグループに分かれて◯◯がもっと集客するための方法を考えてみましょうとか、◯◯の新しいマネタイジングの方法を考えましょうとか、◯◯のビジネスモデルを分析しましょうそういう感じ。

◯◯に入るのはTwitterだったり、Tinderだったり、UberやAirBnbなど様々あるわけですが、例えばTwitterで今より多くのユーザを獲得するにはどうすれば良いか、Tinderでより多くのユーザを獲得するにはどうすれば良いかをグループでアイディア出ししたり、ディスカッションしたりしたあと、みんなの前で発表するわけですね。グループワークの時間はものにもよりましたが30分から1時間程度、発表は5分から10分ぐらい。そしてそのあと15分から20分程度、クラスのみんなでディスカッションを行います。

最近、学生の就職先として、こういったオンラインサービス企業というのはそれなりに人気ですし、サービスのグロースは実際の業務でもデザイナに期待されている項目だという事もあってか、みんな他の授業に比べてより真剣に授業に参加しているようにも思います。

また、こういったいわゆるグロースハック的な業務は、仮説を立てて検証をしてというサイクルを回すのが基本になります。つまり言ってみればこれまで私達が学んできたプロトタイピングによる仮説検証そのままなのですが、違いとしてはそのスピード感でしょうか。A/Bテストなどを活用することによってフィードバックを目で見える形で得て、自分たちの仮説を検証するというプロセスは、リアルな世界のビジネスではなかなか出来ない事ですし、デザイナ目線で業務をとらえた時に、そこに魅力を感じる人も多いだろうなと感じました。