デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

自分たちのアイディアをテストして思い込みから脱却する

下記の記事に引き続き、GUIに関する講義についてです。

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How Might We Questionを作成したあとは、みんなでアイデアを出していき、良さそうのアイディアを選び出します。アイディア出しは、各人が思いついた物をポストイットに簡単に書いて壁にペタペタと貼っていくスタイルを取りました。とは言え、二言三言のキーワードや数秒で描いた絵では、各人のイメージするものが違っているかも知れない。なので、ポストイットで貼りだされたものの中から数点を選び出し、簡単なストーリーボードを作成することにしました。ストーリーボードで表現する事柄は、下記の三点。

  • 使う前はどのような状況で、どのような課題があったか
  • それをどうやって使うのか
  • 使うことによって、どのような効果があるのか

以前、下記のようにMake it Visualの重要性について書いた事がありますが、ストーリーボードもまさしく、Make it Visualのひとつで、チームのみんなが頭の中で考えている事を一致させ確認するという効果があるのだなぁと思っています。

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さて、ストーリーボードを作成して、それぞれが考えている事に大きな差異が無い事を確認した後は、アイディアの選択に入ります。アイディアの選び方としては、クライテリアを用いるというのを以前下記の記事で紹介しましたが、今回も同様。今回のプロジェクトで重視したい事は何かを確認しつつクライテリアを設定し、それに沿ってアイディアを選びます。

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さて、ここまででアイディアの選択が終わりました。次は、そのアイディアのテストを行う段階です。自分たちが考えたアイディアをどうやってテストすれば良いのでしょうか。

アイディアをテストする方法に関しては、おそらくアイディアによって最適な方法というのが全然異なってくるため、今回私達が行った方法が他のアイディアに対して適用できるとは限りません。また、私達の方法が最適なテスト方法だとも限りませんが、下記のような事項をインタビューを通して確認しました。

  • そもそも我々が解決したいと考えている問題が本当にあるのかどうか
  • 現状それにどのように対処しているのか
  • それを解決したところでユーザは嬉しいのか

また、我々のアイディアを説明したうえで、下記の事項についても確認しました。

  • この解決方法が有効に働きそうか
  • 使った見たいと感じるか

こうやって書き出して見ると、基本的な項目は、リーンキャンバスにも通じるところがありますね。

そして、ここで重要なことがいくつかあります。アプリの動作がイメージ出来るように簡易的なスクリーンを作成して想定ユーザに見てもらいましたが、ユーザビリティのテストではないため、どういったアプリかがわかるスクリーンがあれば十分なのではないかという事。それから競合優位性がどうだとか、ビジネスとして成り立ちそうかなどの検証はまだしないという事。もちろんビジネスとして成り立つかは非常に重要な項目であるのですが、現段階ではまずユーザーに価値を提供出来ているかにフォーカスします。

ただし、これらに関しては、チームの持つ特性だとか、提案しようとしている内容によって大きく変動する部分だと思うので、これが正しいというのは中々難しいのかも知れません。いずれにせよここで大事なのは、早い段階で思い込みから脱却して必要であれば軌道修正を行う、という事なのかなとも考えています。