デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

デザインと人工知能

下記のブログを読んでデザイナの役割について少し思った事がある。

www.yasuhisa.com

デザイナの役割については、このブログの中でもしょっちゅう参照しているのだけれど、下記の記事の中で説明している。

ddcph.hatenablog.com

つまり、下記の3つだと考えているわけです。

  1. Opportunity Scout 
  2. Storyteller
  3. Executor

この中で、システマチックに、例えば人工知能が実行可能な部分はどこだろうか。例えばYasuhisa氏のブログで例としてあがっているのは、ロゴの自動生成に関するサービスなのだけれど、これはExecutorに相当するのかなと思う。つまり、別に人工知能がそのロゴを必要とする状況を把握するようなOpportunity Scountingもしていなければ、Storytellingもしてないと考えられます。

工学の世界では、物事を進める方法としてウォーターフォールモデルというものがあります。これは上流から下流に水が流れる様子を、モノ作りの工程に当てはめたもので、ウォーターフォールモデルでは上流で設計を行い、下流に行くほど具体的なモノを作っていく。そしてここで重要なのは、上流で綺麗な設計をしていけば下流まで流れた時の作業がスムーズに進むが、上流で間違いを起こすと下流が大変な思いをするという事であり、上流で価値あるモノを提案し設計しなければ下流がいくら頑張ったところで良い物にはならないと言う事でもあります。

これをそのままデザインの世界に当てはめるのは少し乱暴かもしれ無いが、全くの的外れって事もないんじゃないかと思う。つまりExecutorがいくら頑張ったとしてもStorytellerが下手な仕事しかしてくれなければ成果物の価値が大したものにならないし、Storytellerがいくら頑張ったところで、Opportunity Scoutの目の付け所が悪ければ良い物は作れない。逆に言えばOpportunity Scoutが、そしてStorytellerが良い仕事をすれば、Executorにかかる負担は少なくなると言う事であり、将来的には人工知能に任せる事が出来るのではないかということ。そうすることでより多くのリソースをOpportunity ScoutやStorytellerにつぎ込む事が出来る様になるかも知れない。

また、これは人工知能に限った事ではなく、外注可能かと言う話にもつながってくるような気がする。例えば何らかの事業を行っている会社の場合、Opportunity ScoutやStorytellerに多くの投資を行えば自社でExecutorを持たなくても外注出来ると言う事なのかもしれない。もしくは逆に自社で専門家を抱えていない場合、Opportunity ScoutやStoryteller部分を外部の優秀なデザインファームに依頼して実行は自社でと言う形でも良いのかもしれないけれど、このあたりの切り分けに関して、どうするのが良いのかについて、今のところ私は明確なアイディア持っていないので、世の中の流れなどを知りたいところでもあります