デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

デザイナに求められる3つの役割

下記の記事にも書いたのだけれど、デザインとは問題解決の手段であり、新しい価値と機会を創りだす行為でもある。つまり、デザイナーに求められる役割とは何かと言うと、問題解決をしたり、新しい価値や機会を生み出す人ってことになるのであろうか。

ddcph.hatenablog.com

そもそものCIIDの方針として上記のような事が出来るデザイナを育てる事を目指しており、カリキュラムもそのように組まれているのだけれど、講義の中でデザイナの役割について触れる機会があったので紹介しようと思います。

まず、デザイナーに必要な役割とは下記の3つです。

  1. Opportunity Scout 
  2. Storyteller
  3. Executor

それぞれ説明してみます。

Opportunity Scout

Opportunity Scoutとは、直訳するならば機会を見つける人、と言うことでしょうか。例えば問題解決のプロジェクトであれば、問題を見つける事がこの部分になるのかと思いますし、新しい製品、サービス、事業を作るようなプロジェクトであれば、どのような分野であれば機会がありそうか、新しい価値を生み出す事ができそうか、などと言った事を見つける事がデザイナーの役割かも知れません。

Opporttunity Scoutの手法としては、世間一般にはデザインリサーチと呼ばれるものが使われる事が多いように思います。例えばユーザーインタビューであるとかが含まれるのでしょうがデザインリサーチの内容については下記の記事を読んで頂くのが良いかと思います。

ddcph.hatenablog.com

Storyteller

直訳すれば物語を作る人でしょうか。Opportunity Scoutとして集めたデータから、具体的なアイディア、コンセプトを作り出し、それを説明する役割でしょうか。我々の製品、サービスはどのようなユーザーを対象としているのか、そのユーザーはどんな機能を必要としているのかだとか、こういった製品だとか、サービスを提供すれば新たなビジネスチャンスが有るとか、価値を生み出せる。そういった事柄を説明し、ステークホルダーから共感を引き出すのも、デザイナーの役割なのでしょう。

Executor

直訳すれば実行者でしょうか。何を実行するのかを考え、手を動かします。このブログでも何度も言及していますが、プロトタイピングがこの部分に入るのかと思います。また、実際の製品、サービス開発においては、実際のビジネスを運営していく役割も必要です。ただし、それがデザイナの役割に含まれるかどうかについては、色々な意見があるのでは?と言う気もします。

おわりに

以上、デザイナの役割をプロジェクトのフェーズごとに3つに分けて説明してみました。なお、これらは必ずしもウォーターフォール、つまりOpportunity ScoutからStoryteller、Ececutorのように順番に行われていくわけではなく状況に応じて行きつ戻りつする事も当然あります。いずれにしても、思った以上に各フェーズの役割において、異なるスキルが必要になってくるのでは、と言う印象を受けました。

つまり、デザイナと言う肩書であったとしても、Opportunity Scout的な役割が得意な人も居れば、Storyteller的な役割が得意な人もいてEcecutor的な役割が得意な人も居ると言う事でしょうか。

私の場合はどうかというと、今のところ、Opportunity Scoutはほぼ経験ナシだけれども、Storytellingは経験が少ないもののそこそこ自信がありEcecutorはエンジニアリングのバックグラウンドがあることからも、それなりに出来る、と言う感じでしょうか。デザインプロジェクトでチームを構成する場合には、チームメンバーでこれらのバランスを撮ることも重要なのも知れません。