デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

工事現場でみつけた行き先ルーレット

コペンハーゲンのKongens Nytorv(コンジェンスニュートー)駅の近くの工事現場に上記の写真のようなものができていました。タイトルはOASES IN COPENHAGENというようです。

これが何かと言うと観光の行き先を決めるためのルーレットのようなのですね。ルーレットの各項目にはそれぞれ行き先が書いてあります。ルーレットを回して針が指すところに従って観光してみても良いし、別にそこに強制力があるわけでは無いのですが、シンプルながらとても面白い仕組みだなぁと思ったのです。

まずひとつは、工事現場の壁にこれが設置してあるということ。日本の工事現場といえば安全第一だとか、安全のスローガンなどが書いてあることが多いように思います。それって言ってしまえば全国共通であり、一般市民からしてみればなんの面白みも無い事ですよね。

ところがこの工事現場では無機質なただの壁ではなくて、市民に、または旅行者に親しみを持ってもらえるような仕掛けを提供しているわけです。こういうことをするのって、工事を行う側としてはそれなりのコストになると思うんですが、そういったコストを負担してでも、工事現場をいかに街に受け入れてもらうかを工夫している点が非常に面白いと思うのです。

次に、これが工事現場に設置して居なかったとしても十分に面白いと思うのが観光マップと、ルーレットという予測不可能なものを組み合わせている事。観光マップだけならどこの観光地でも見かける事が出来ます。しかし、そのマップを見て、どこに行こうかなと考えるのって結構難しいと思うんですよね。

例えばコペンハーゲンで言うならば人魚姫のように、有名で、どうしても見たいものってあるとは思うのですが、それさえ見てしまえば、あとはコペンハーゲンならではのものだったり、デンマークらしかったり、それっぽい観光スポットにいけたら良いかなぐらいに考えている人って結構居るんじゃないのかなと思うのです。そういった状況に、ルーレという、一見するとランダムな仕組みを持ち込むのは個人的にとてもアリだと思いますし、実際多くの人がルーレットを回して楽しんで居ました。

私も知らない土地にいったときにこういった仕組みがあればおそらく回すと思いますし、このようなランダム性をツーリズムに取り入れる事の可能性って結構あるんじゃないのかなぁと思う次第です。