デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

デザインスクールで学んだ事を企業で活かすには

デザインスクールで学んだ事を一般的な企業で活かすにはどうすれば良いのか、というのは生同士でもわりと話題になるトピックのひとつでもありますので、他のブログを紹介しつつ、簡単に書いてみたいと思います。

なお、私はエンジニアリングのバックグラウンドを持っていますので、そういった状況の人がどうするべきか、何が出来るかに着目して書いて居ます。おそらく、デザインやビジネス出身の方の場合は若干異なる場合がありますのでご容赦ください。

まず下記は、昨年までCIIDに留学されていた方の記事なのですが、エンジニアリングバックグラウンドの人がデザインを学んだあと、企業にどう貢献出来るかについて書かれています。

interactiondesign.jp

上記の記事では、エバンジェリストと、コーディネータを可能性としてあげています。エバンジェリストというのは、デザイン思考であるとか、デザインプロセス、マインド的なモノを社内で普及させる役割ですね。今後、企業がさらなる躍進を遂げるためには、全社的なデザイン手法の導入はプラスに働くものと思いますので、非常に有意義な役割となる事でしょう。

コーディネータとしての役割はつまりは、自社で取り組むべきプロジェクトの方向性等を考え、必要なリソースをセットアップし、プロジェクトをドライブする役割になるのかな、と思います。 

別の方の記事も見てみましょう。

下記はIT大学に赴任されていた専修大学の上平先生の記事ですが、デザインと関わる働き方が幾つか紹介されています。ノンデザイナーとありますが、いわゆる意匠屋さんではない、デザインスクールで育てようとしているデザイナと読み替えても、あまり違和感が無いのではないかと思います。

kmhr.hatenablog.com

上記記事によると、大きくわけてデザインリサーチャ、プランナー(含むディレクター)、トランスフォーマーの3つの働き方がありそうです。

以前から度々取り上げているのですが、デザインリサーチャは下記役割のうち、Opportunity ScoutとStorytellerの部分を主に担当することになるのかなと思います。

ddcph.hatenablog.com

プランナーとトランスフォーマーは一見似ているようですが、プランナはマネジメント的な役割が中心で、トランスフォーマーはチームメンバーとしてプロジェクトに入り、いずれもプロジェクトをドライブしていく役割なのかなと私は理解をしています。これらは前述したコーディネータと役割が少し近いのかも知れません。

いずれにしても、デザインスクールで学んだ事を一般的な企業で活かそうと思った場合、周りにデザインに理解がある人、似たようなスキルセットやマインドを持つ人がいる場合はおそらく稀な事だと思われます。(デザイン専門の部署があれば別かも知れませんが、残念ながら私はそういった部署の事情だとか、仕事の進め方等についてほとんど知識がありません。)

ですので、新規事業であったり製品・サービスの企画等のプロジェクトをドライブしていきつつ地道に仲間を増やして行く、という働き方が会社への貢献度合いを考えると現実的なところになるのかなと思います。

しかしながら企業において自分がアサインされる業務を自分自身で選べない場合も多くあり、既に進行中のプロジェクトを任される場合や、メンバーとしてプロジェクトにジョインする場合というのも珍しい事ではないはずです。こういう場合に、どうやってバリューを発揮していくか、というのはひとつ考えなければ行けない課題なのかも知れません。とはいえ企業としても、社内の人材を活かすために、この辺りの点を考慮して欲しいところではありますが。