デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

アイディアの映像化にどれ位の時間がかかるか

アイディアを伝える方法として、映像と言うのは非常に強力な手段と成り得ます。パワーポイントで長ったらしい資料を見せられるよりも1分とか2分の映像を見せられたほうが、アイディアを容易に理解する事が出来ます。また、ひとつのファイルにパッケージング化されていますので説明が必要なプレゼンテーションと違って、そのまま他の人と共有する事も可能です。そして、アイディアの発案者としても、映像化することによってアイディアをブラッシュアップすることができる、などのメリットがあります。

そんなわけで、アイディアを映像化すると言うのは、デザイナにとって、非常に重要な武器になり得るんじゃないかと思うのですが、そのアイディアを映像化するのに、どの程度の時間がかかるのでしょうか。私はこれまで、映像を作るのって、結構な時間が必要なイメージがありました。

下記の記事でも書いたのだけれど、今週はRapid Experience Prortotyingの講義を受けています。この講義では、毎日異なるテーマが与えられ、1日、つまり10時から17時の7時間程度でアイディア出しから映像化までを行います。

ddcph.hatenablog.com

7時間と言われると、それなりの時間があるようにも思えるますが、実際は結構きつきつです。例えば2分程度の映像を作ろうと思うと、まず2時間程度は映像編集に時間を取りたいです。編集済みの映像が2分とは言え、撮影自体に30分程度は必要であるし、撮影場所と作業場所が離れている場合はその移動時間だとか、諸々のセッティングを考えると合計1時間程度でしょうか。

もちろん上記は、予め、何を撮影するかを決めてある場合の数字なので、撮影に要する時間を短縮するためには、撮影前にストーリーボードを作成して、どのようなカットが必要か等の検討を行う必要があります。ストーリーボード作成と、撮影に必要な小物の作成や準備など、これらが円滑に進めばだいたい1時間程度ですが、ストーリーボードを作成すると同時に様々な議論を行うことになるので、2時間程度は確保したいところ。

つまり、ひとつのアイディアについて映像化するために必要な時間は、5時間未満、と言う事ができます。

これ、想像してたより、結構短いのではないでしょうか。私はこれまで映像制作と言うと、結構ハードルが高くて、多くの時間がかかるもので、どちらかというと敬遠していたのですが、実際にやってみて5時間程度でなんとかなるなら、積極的に使わない理由は無いなと今では思っています。

もちろん、他にもプロトタイピング手法はあり、それらのほうがより短時間で作成出来る場合もあるため、何が何でも映像化すべきだとは思わないのですが、この程度で映像化出来るのであれば、様々な場面で映像制作を取り入れても良いのでは、と思った次第です。