デザインスクールに来ている学生というのは、やはりそれなりに新しものが大好きな人が多く、面白いアプリやサービス、プロダクトなどがあるとそれらは雑談のネタになります。そんな中で最近、我々のなかで話題になっていたもののひとつにQuartzというアプリがあります。
Quartzというのはニュース配信アプリなのだけれど、今までのアプリとは少し趣向が違う。今まで、ニュース配信アプリといえば、日本だとGunosyだとか、SmartNewsのような、アプリを開けばニュースの一覧が並んでいて、それをクリックすればニュースの内容が見れるというものだった。ところが、Quartzはそういったアプリとは異なる。アプリを開くとチャットのような画面が表示されて、アプリの側からニュースがプッシュされてくる。ユーザーはそれに対してリアクションを行うことで、詳細を読んだり、他のニュースを読んだりすることができる。私はAndroidしか持っていないので、実際にインストールはしていないのだけれど、周りの話を聞いていると、わりとみんな面白がって使っているようだった。
そこで、盛り上がったのは、今後、このようなチャットUIスタイルのアプリは色々と出てくるのではないかという話。確かに最近、Facebookがチャットボットのプラットフォームを提供する事が話題になっていた。
Facebookだけではなくて、LINEもメッセージングAPIの公開に取り組んでいる。
このような流れは中国で主流となっているWeChatなども進めており、世界的なトレンドのように思われる。
また、プラットフォームに関する話だけでなくて、実際にチャットUIを採用したアプリケーションというのも色々登場している。
例えば、インドのHaptik。
Haptikはモバイルコンシェルジュサービスだとのこと。買い物、旅行、食品の配達、レンストランの予約など、チャットのインタフェースを通して様々な事を行う事が出来る。下記のように、最近、増資を行ったとのことでTechCrunchでも記事になっている。
また、ドリコムはClipやPlanB等のアプリでチャットUIを採用しているとのことである。
さらにチャットUIを備えたアプリを幾つか開発中との事である。
そして、見逃せないのが、チャットUIアプリのアクセラレータであり、下記のような物が登場し始めている。
これらの事から今後もこの類のアプリが増えてくるのは間違い無いのではないかと思われる。しかし何故、今になってチャットUIが台頭し始めているのか?というのは少々疑問でもある。
ひとつは、自然言語を扱う技術が向上し個別の顧客に対応するコストが下がったというのもあるだろうし、そもそものトレンドであるパーソナライゼーションを突き詰めると、顧客と一対一で対応するのが良いと考える人が増えたからかも知れない。
また、個人的には、スマホのアプリが複雑化するにつれて、アプリの状態というか、コンテクストが見えにくくなってきていると感じている。例えば、似たようなアイコンであるのにアプリの状態や画面によって挙動が異なったりなど、ライトユーザーからするとスマホを使う事が難しくなりつつあるのではないかと思う。
そういった面で、チャットというのはコンテクストが画面に内に目に見える形で表示されているし、そもそもライトユーザであってもLINEやWhat's Appなどは使い慣れている事が殆どであるから、取っ付き易いというのもあるんだろうなと思う。
今後、どのような分野でチャットUIを備えたアプリが出てくるか、また各社がどのようにしてライバル達と差別化を図って行くのか、楽しみです。