デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

とりあえず形にする「Make It Visual」の重要性

上の画像、何に見えますか?これは先週のプロジェクトで作成した一番最初のプロトタイプで、ギターのつもりです。ダンボールを切り抜いてテープと糸を使って作ったもので、2分か3分ぐらいで作ったものです。

CIIDの教授陣が口酸っぱく言うことのひとつに「Make It Visual」があります。

アイディア出しをする時の議論だとか、プロジェクトの方向性を定める時のディスカッションだとか、とにかく、どんな工程であっても、形にするということを求められます。多くはポストイットだとか。ちょっと複雑なものであればコピー用紙に書く事もありますし、もちろんホワイトボードを使う事もあります。

このようにして、目に見えるようにすることの利点というのはいくつかあると思うのですが、ひとつは他人のアイディアの上にアイディアを積み上げやすくなるという事。例えば、上記の画像はギターの最初のプロトタイプなのですが、目の前に無いものについて議論している時には、どんなギターが良いのか、ある人は機能についてアイディアを出すし、ある人はデザイン面について話をしたりと、議論の方向性がいまいちまとまっていない状態でした。ところが、簡単にでも良いので目の前にモノがあると、ここはこうしたほうが良いよねとか、こういう機能があると面白いんじゃないかとか、こういうデザインだったらどうかなとか、あるトピックに関して集中しても議論が進みやすくなるように感じて居ます。

さらに、サイズはもう少し小さいほうがいいだとか、こういう機能はあっても仕方ないだろうとか、アイディアの良し悪しについて具体的に議論しやすくなったりもしますし、そもそも議論の過程を把握しやすくするというメリットもあります。特に私のような英語力でハンデのある留学生にとっては、文字や絵に描いてもらえる事で、理解しやすくなるというメリットもありますが、ネイティブ同士であっても案外重要なのではないかと思っています。

より良いアイディアを出すための方法(と言って良いのかよくわかりませんが)マクドナルド理論というものがあります。

gigazine.net

明らかに悪いアイディアを提示する事によって議論を促進させるという手法ですが、Make It Visualもこれに近い物があるのかも知れません。