デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

快適な空間を脱してチャレンジすることの価値

下記の記事で書いた通り、今週はMaterials of Electronicsと言うことで電気回路に関する授業を受けています。

ddcph.hatenablog.com

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で、アイディアが一通り出揃ったところで、じゃぁ我々のチームは何を作るか?というのを議論するわけです。私としては、作るのが面白そうな物だとか、デモ映えするものだとか、将来ビジネスに繋がりそうなものだとかを作りたいと考えてしまうわけです。

だけどチームメイトの考えとして、それはもちろんわかるけれど、そういうものは基本的に複雑なものになってしまい、電気回路についてほとんど知らない私達に取っては難しすぎる。電気回路部分についてあなたに任せて、私達がレーザーカッターで外装を作ったりすればプロジェクトとして良い物が出来るかもしれないけれど、それでは私達がこの授業で電気回路について学ぶ事がほとんど出来ないと主張するわけですね。

実際のプロジェクトであれば、それぞれが得意な作業を担当するというのが理想なのでしょうけれど、それでは自分の専門分野以外について学ぶ事がほとんど出来ない。彼女らの主張はとても良くわかります。

結局どうしたのかと言うと、下記のように説明して彼女らを説得しました。

電気回路部分については、基本的に私が設計をするけれども、ハンダ付けだとか組み立てについては私が指示を出して指導する。回路が動作する仕組みも、組み立てつつ丁寧に解説する。そうすれば今知っている知識よりも更に新しい事が学べるはずだし、プロジェクトとしても価値のある物が出来るはずだ、と。

この方法は、時間がかかるのは確かであるけれども、彼女らが新しい事を何も学べ無いのは確かにもったいないし、逆に言えば私がプロジェクトを主導出来る、またとないチャンスであることも確かなわけです。恥ずかしながらこれまでは主に英語力のせいでプロジェクトを主導する機会がほとんど無かったので、この方法は私に取っても悪いものでもないと判断しました。

こちらに来て思う事のひとつに、チャレンジすることで様々な事を学べるし、そのチャレンジは現在の自分が出来ることとの差が大きければ大きいほどが良いというのがあります。

自分が確実にできる事、快適な空間での取り組みを積み重ねる事で出来る成長というのももちろんあるのでしょうが、それって結局スライム等の雑魚敵を多く倒すだけでレベルが上がるのに多くの時間を必要とする気がします。それよりは、せっかくチャレンジ出来る環境(設備だったり人だったり)が身近にあるのだから、思い切って自分にはまだ早いかなと思えたとしても、とりあえず強敵にチャレンジしてみるのが良いのではないかなと。それでうまくボスを倒せたりすれば新しい世界が広がるし、残念ながら倒せなかったとしても学べる事は少なくないのかな、と。

また同時に、チームビルディング時に、それぞれがこのプロジェクトで、どんなことを学びたいかを明確にしておくことも重要なのかなと思いました。それがわかっていればプロジェクトの方向性を決めるときに考慮することも出来るし、プロジェクトの満足も高くなるように思うのです。