先週からビデオプロトタイピングの講義を受けています。プロトタイピングにも幾つか種類があるのですが、中でもささっと作れて、内容が伝わりやすいものということで、実際のデザインの現場でも重宝されているのがビデオプロトタイピングとのことです。
具体的には例えばこういうもの。スクリーンは紙で作ったり等、クオリテイは低いですが、誰が、どんな状況で、どうやって使うのか、どういう価値があるのかなどは十分に伝わるかと思います。これが仮に、例えば文章だったり、パワーポイントのプレゼンテーションだったりすると、いまいち伝わりづらいんじゃないかなって思うんですよね。
そして、ビデオプロトタイピングを用いるもうひとつのメリットは、魔法が使えてしまうと言うこと。ビデオなんて編集し放題なわけですから、登場人物が飛んだり、ワープしたり、物体を変化させたり等、いくらでも可能なわけです。
有名過ぎて紹介するまでも無いと思うのですが、アーサーCクラークの言葉で下記のような物があります。
充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。
これは逆に言えば、十分に発達した科学技術を表現するためには魔法が必要で、魔法を使えば、十分に発達した科学技術を表現するとも言えるのかも知れません。
数日前、上記のような記事を書きましたが、デザインドリブンなスタートアップな場合、先にユーザや、機能、価値などを決めてしまい、技術的な話は後回しになるようなことが多い気がします。もちろん最低限の技術検証、いわゆる常識的な範囲でのものはやるんでしょうけど。
そうなると、プロトタイピングを行うと言っても、技術的な話を盛り込んだ内容にならない事が多い。そのため、少なくとも初期の段階ではフィジカルプロトタイピングを作るのはコストや時間的な問題だけではなく、フィージビリティ的な問題で難しく、デザインドリブンなスタートアップにとってはビデオプロトタイピングが合理的な選択肢になるのかな、と思うのです。
しかし、さすがというかなんというか、先週今週だけで合計4本のビデオ制作を行う予定となっています。それぞれの内容についてもいずれ紹介できればと思っているのですが、いつになるのでしょうか。