デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

プロトタイピングの計画について

コンセプトマッピングを行いアイディアをある程度明確にしたら、プロトタイピングの計画づくりを行います。プロトタイピングについて、一般的にはモノ作りのことを指すように捉えがちだと思うのですが、これは少し異なり、下記の記事でも少し触れましたが、仮説検証のプロセスのことを言います。

ddcph.hatenablog.com

プロトタイピングはプロセスですので、ある程度の計画を行う事が可能です。もちろん行き当たりばったりプロトタイピングを行う事も可能でしょうが、ある程度の期間である程度の成果を出すためには計画を立てた上で効率良く仕事を進めて行く必要があります。

さて、プロトタイピングの計画作りで考えなければ行けない事は何かというと、下記のような項目かなと思います。

我々がわかっていないことは何か?

例えば下記のような内容になるでしょうか。

  • ユーザはこのような情報を提示された時に、どういった反応を示すのだろうか。
  • ユーザはこのようなインタラクションに抵抗を示さないだろうか。

コンセプトの基本となる仮説は何か?(もしこれが真実でないと証明された場合にコンセプトの修正が必要なものは?)

例えば下記のような内容になるでしょうか。

  • このような情報はユーザーに取って有用なはずだ。
  • このようなインタラクションがあればユーザの行動がポジティブなものになるはずだ。

プロトタイピングを行う際の登場人物は誰か。彼らをどのようにして見つけ出すか。

例えば下記のような内容になるでしょうか。

  • 3歳前後の子供を持つ親
  • 友人に連絡する。

プロトタイピングの手順はどうか。

ここではプロトタイピングをどのようにして行うかを検討しスコープと手順を明確にする。ここで重要な点は、まず初期の段階ではコンセプト全体ではなく、例えば不明な物を調べるための、もしくは仮説を検証するための最小限は何か?と言う点を考えるべきであると言う事です。

その他

上記に加えて、下記のような点を明確にしておくと良いのかなと思います。

  • どのような結果を期待しますか。
  • どのような状況になれば成功だと言えるか。
  • 仮説が間違っていた事を、どうやって知りますか。
  • 計画が適切ではなかった事をどうすれば知ることが出来ますか。
  • 計画したプロトタイピングからどのような事を知る事ができるか。
  • プロトタイピングの結果、十分な違いが出るようになっているか。
  • 誰がやっても同じような結果にならないか。
  • 複数の事を同時に検証可能か。

以上、わりと細かい話になってしまいましたが、仮説検証のステップと言うのは比較的多くの時間、コストが必要な部分でもあります。例えば、第三者に実験に協力して頂くとしても、それほど簡単に出来無い事が多いですし、準備やなんやかんやで数時間必要な場合も珍しくありません。

限られたリソースを使用して、いかに効率良くプロトタイピングと言う仮説検証を進めて行くかがデザインプロセスの中で非常に重要であり、そのためには綿密な計画が不可欠と言う事も出来るはずです。