デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

ピザ屋で学ぶサービスデザイン

本日からサービスデザインのプロジェクトが始まっています。今回の授業では本格的なプロジェクトに入る前に簡単なワークショップを行ってサービスデザインとは何かについて学び考える時間がありました。

まず、教授からほとんど何の説明も無く「ピザ屋におけるエクスペリエンスをデザインしなさい」という課題が出されます。もう少し内容を詳細にかくと、下記のような感じ。

  • このピザ屋では、ピザを8等分し、各スライスに好みの具材を載せる事が出来る
  • 具材は、マルゲリータ、チーズ、肉など10種類の中から自由に選ぶ事ができる
  • エクスペリエンスをデザインする制限時間は30分間
  • 30分後、顧客役の人に対して下記のような指示書が渡されるので、サービスを提供する事

日本ではそこまでメジャーではありませんが、こちらでは街の至る所にピザ屋があり、我々学生に取って非常に身近な存在となっています。だけど、一般的なピザ屋さんでは、マルゲリータや、ハワイ、クラトロフォルマッジなど、ピザの種類を指定したらピザを構成するすべてのスライスに同じ具材が乗っているわけです。当たり前ですが。

もし、各スライスの具材を自由に指定出来るピザ屋があったらどうだろうか。どのような注文方式を提供するべきでしょうか。というのが今回の課題なわけです。

もちろん店員さんに対してカウンター越しに各スライスの具材を指定する事も出来るでしょうが、単純に考えて注文するために従来の8倍の時間がかかるわけですし、注文ミスも増えるかも知れません。こういった課題をどうやったら解決出来るかを考えなさいという事でもあります。

我々のチームはというと、店頭で口頭で注文するのではなくスマートフォンを使用してピザを注文してから店に向かうとスムーズにピザを受け取れるという方法を提案しましたが、他のチームを見ていると顧客がマグネットを使ってトッピングをタンジブルに指示したり、サブウェイのようにトッピングを指定したりなど様々なアイディアが出ておりましたが基本的には、注文中のピザをいかに見える化して、顧客と店側で誤解をなくすかというところに注力しているチームが多いようで、いかにして短時間で注文できるかという点には、ほとんどのチームがこだわっていないようにも見受けられました。

しかし、デザインを行う側としては、これでうまく動くだろうと思っているにも関わらず、第三者に使ってもらおうとすると様々な発見があって面白い。この新しいピザ屋でどうやって注文すれば良いか、説明無しではなかなか理解してもらえなかったりもするし、我々が想定して居なかったような振る舞いを顧客が取る事も多い。30分で作ったプロトタイプなので、うまく動かないのは当たり前といえば当たり前なのでしょうが。