デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

ビジネスのことをいつ考える?

Business


以前、下記の記事を書いた。

ddcph.hatenablog.com

この授業では、コンセプトをいかにしてリアルの世界に適用するかという事をテーマに行われたのだけれど、よくよく考えて見れば、この授業において、ビジネスの事は最後の最後に位置付けられている事に気がついた。

どういうことかというと、コンセプトを作成して、プロトタイピングを行い仮説の検証を行う事によって、プロダクトのユーザ価値を高めるところまでは良いのだけれど、この段階に置いて、ビジネスフィージビリティの検証どころか、ビジネスプランの策定すら行って居ないのです。

つまり、ユーザ価値を最大限に高めたあとで、ビジネスのことを考えて、必要であればユーザ価値を低くする事を検討する場合があるという事でもある。

作成したコンセプトをリアルなユーザに届けるためには持続可能性が重要であるという事は言うまでも無いと思うのだけれど、持続可能性をいつ考慮するべきかというのは、ひとつの考えなければならない点ではないかと思う。

コンセプトを作成する時点でビジネスのことを考えるのか、コンセプトを作成したあとで、ビジネスの事を考えるのか。どちらの方法もあるとは思うのだけれど、ひとつ注意しなければならないのは、コンセプト作成段階でビジネス面を考慮するあまりに、コンセプトが面白く無いものになってしまう危険性である。

これって実は、ビジネスに関する検討フェーズだけで発生するものではなくて、すべての段階で発生しうる事でもある。

例えば、エンジニアリング、つまり実際に作れるかどうかを気にするあまり、コンセプトがつまらなくなる事だってあるだろう。実際に作れるかどうかというのは非常に重要な点ではあるものの、最初からそれを考慮するのではなく、まずは可能なかぎりユーザ価値を高めた上で、エンジニアリング的に実現可能な妥協点を探し出し、その後、ビジネス的に実現可能な妥協点を探し出すというのもひとつのやり方なのかなぁと思うのです。

実務において、このあたりのバランスをどうやって確保するかは今後検討しなければならない点かもしれないが。