このブログでも何度か書いているのだけれど、デンマークは食料廃棄に対する意識が非常に高く、そういった環境で暮らしているうちに私自身も色々と興味が出てきて調べたりしています。で、調べたものをそのままにしておくのももったい無いので、いくつか紹介しようと思います。ちなみにデンマーク以外の取り組みもわりと含まれています。
Bristol Skipchen
こちらはイギリスの事例。内容としてはデンマークのSpisehuset Rub&Stubと近いものがありますが、スーパーのゴミ箱から漁ってくる点もあるという点が違うのかな。Spisehuset Rub&Stubでは、フードバンクから食材の提供を受けているとのことなので、安全性や遵法性という点で差がありそうです。
Winnow
こちらはイギリスのスタートアップで、食料廃棄物のモニタリングツールを提供しています。どれだけの食料を廃棄しているかを可視化することで、削減のためのアクションを可能にするという事ですね。
OLIO
こちらもイギリスのスタートアップで、食材のおすそ分けアプリだという。
Froodly
こちらはフィンランドのスタートアップで、スーパー等の割引商品の情報をシェアするアプリだそうです。
PareUp
アメリカ発の企業ですがフィンランドのFroodlyとコンセプトはほぼ同じなのかな?
OptiMiam
こちらはフランス企業。FroodlyやPareUpと同様、見切り品情報を共有するためのアプリだそうです。
Food Cowboy
こちらはアメリカの企業。食料を寄付したい企業と、寄付をして欲しい企業等をマッチングするためのアプリだそうです。
Foodee
こちらはイギリスの企業。冷蔵庫の中で寿命を迎える食材を削減するためのソリューションですね。
Wefood
こちらはデンマークのスーパーです。このブログでも何度か取り上げています。廃棄される食料を販売するスーパーです。
Too Good To Go
このブログでも何度か取り上げていますがレストランで残った料理を販売するデンマークのスタートアップです。
Spisehuset Rub&Stub
こちらは、先日初めて行ってきたのですが、廃棄食材を調理したデンマークのレストランですね。
SEND
こちらは日本のスタートアップであるプラネットテーブルが取り組む事業のひとつがSENDです。通常のルートに乗らないような野菜等を対象に、生産者と需要者のマッチングさせるサービスだそうです。
ちなみにプラネットテーブルは、食品流通のイノベーションに取り組んで居るとのことです。プラネットテーブルでは今後も食品流通関連で更なる新規事業を計画しているとのことで、どのような事業が出てくるか大変興味があります。
おわりに
こうして並べて見ると、食料廃棄問題と言っても幾つかに分類出来る事が出来ます。ひとつはスーパの売れ残り食材をどうするかという観点。これは割引を行い、その情報を拡散するというのがひとつのソリューションなのでしょうか。そしてそれらを専用の場所に持って行き販売したり、調理する事によって付加価値をつけて販売するのがもうひとつのアプローチなのかも知れません。
ほかには家庭で発生する食料廃棄にどうする対処するかという問題もありそうです。こちらに関しては、個人同士でシェアしたり、転売したり、そもそも廃棄が生じないように管理したり、というアプローチになるのかな。
そしてスーパーに辿り着く前、そもそも通常の出荷ルートに乗せられない食材に関しては新たなルートを開拓して行くという形になるのかなと思います。
もちろん上記以外にもソリューションは可能性として存在するのでしょうが、いずれにしてもそれぞれの課題に対して対処していく必要があり、これさえあればという銀の弾丸は存在しないであろうということ。また、良かれと思っても、失敗するプロジェクトも結構あるという事にも目を向けなければなりません。結局のところ、消費者も善意で協力する事は限界が有るのでしょうから、食料廃棄問題に対処しつつも、顧客にどのような価値を訴求するかがポイントになるのかなと思います。