デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

チームで同じ方向を向くために

下記に書いたDomesticating Intelligenceに関する内容です。

ddcph.hatenablog.com

各テーマに置いて製品サービスの先行例調査を行ったあと「じゃぁ、これらをもとに新しい製品サービスのアイディア出しをしようぜ」って話になったのですが、これがいけなかった。

以前、下記の記事でHow Might Weの意味について説明したのですが、この時はついHow Might Weを定めずにブレインストーミングを初めてしまったのですね。

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そうなると、どうなるかというと、チームメンバーそれぞれが、それぞれの方向を向いてアイディア出しをするわけだから、様々な方向のアイディアが出てくるし、特定の分野について深掘りされる事も無い。結果として、それら出てきたアイディアは大したものが無く、その中から選ぶ事も出来ず、ヘタしたら時間の無駄だったね、というオチもあり得る。なのでブレインストーミングをするときは、下記の点が大事なのかなぁと思った次第。

  1. ブレインストーミングの制約と対象を絞る
  2. 定めた制約と対象を見える化する。

なんとなくのブレインストーミングにはあまり意味がありません。ですので、何についてのアイディアを出すのかを明確にする事が大事です。また、何でもあり!にしてしまうと、薄いアイディアを様々な分野で出そうとしてしまいがちなので、この分野で、とかこういった条件でというのを設定するのが有効なのかな。

そして、もうひとつはそれを紙に書くなどして可視化する事。これは私の語学力的な問題があるのかなと思ったのですが、ネイティブ同士であってもアイディア出しの内容を勘違いしたままブレインストーミングをしている事例を見ているので、おそらく有効なはずです。会話だけではそれぞれが独自に解釈を加えている場合もありチームとしてのダイナミクスを生み出す事が難しい場合があるのですが、可視化することによって、チームの向かっている方向性を明らかにし、ここまでは良いね?というのを確認する事が出来るわけです。基本的にデザインプロジェクトではそもそも少人数で行う事が多いので、メンバー一人一人のリソースがとても重要になります。そういったリソースを最大限に活用するという意味で、可視化は大変有効なのかなと思います。

そして、可視化という観点からもうひとつ思ったのが、途中経過だけでなく、プロセスを事前に可視化して共有しておくのが重要なのではないかという事。

プロジェクトが始まったとき、プロジェクトの向かうべき方向、その手順等、それぞれ思い描くわけですが、その思い描く内容って、結構バラバラな事が多いように思うんですね。一応、標準的なデザインプロセスというのはあるわけだけれど、実際にはその中に小さなステップが幾つかあったりしてさらに分割可能な場合が多い。だから、まず何をして、次に何をして、というプロセスを可視化して共有しておく。地味なようではあるけれど、こうすることによってプロジェクトをスムーズにすすめる事が出来る気がするのです。もっとも、どうやって可視化するか、というのは割と難しい問題なのかなとも思うわけですが。