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デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学の日々について書いています

デザイナとエンジニアの距離について

デザイン テクノロジー ビジネス

デザイナとエンジニアの関係性についてブログを書こうと思って随分時間がかかってしまいました。

私は現在デザインスクール留学中の身分です。デザインスクールと呼ばれるところでは、それぞれ学校によって特色があるわけですが、基本的には世界中どこに行ってもデザイン、エンジニアリング、ビジネスのバックグラウンドを持つ多様な学生が集まっており、デザイン思考だとか、デザインプロセスを用いてイノベーションを生み出す手法を学んでいます。

何故多用なバックグラウンドを持つ学生を集めているかというと、デザインだけ、エンジニアリングだけ、ビジネスだけ、もしくはそのいずれかが欠けたとしても、イノベーションを起こす事が出来ないと考えられているからです。例えば、デザイナーだけではモノを作れないし、エンジニアだけでは何を作れば良いかわからないし、作ったモノを売る事ができない。ビジネス屋さんだけでは、売るものを作れない。もっともこれは極端な例であって、大抵の人はエンジニアリングが専門だけど、デザインやビジネスは少ししかわからない、ぐらいが実際ですが。

さらに、イノベーション創出プロセスは、デザイナーが考えたものをエンジニアが開発してビジネス屋さんが売ると言う一方通行のウォーターフォールではなく、デザイン、エンジニアリング、ビジネスの立場から常にプロジェクトにコミットしてフィードバック・ループを回して行く事が重要と考えられており、それが多用な学生がひとつの場に集められている理由のひとつでもあります。

私はそんな環境にいるわけですから、最近良く言われる事、デザイナはコードを書けないと行けないし、エンジニアはデザイン出来ないと行けない。つまりハイブリッドな人材にならなければ行けないと言う話にはとても敏感に反応してしまいます。

しかし、こういう話をする前に、デザイナとはなんぞや、と言う話をしなければなりません。なぜかと言うと、日本ではデザイナと言うと、意匠屋さん、見た目を整える人と言うイメージが大変強いからです。Webデザイナと言うと、Webの見た目を考える人だし、アプリのUIデザイナと言うと、アプリのUIを考える人ですよね。

ところが、我々デザインスクールにおいてデザイナに求められる役割はと言うと、下記の記事にも書いたように、機会創出、ストーリーテリング、実行であり、それとはちょっと違います。もちろん見た目の問題もゼロではないのですが、それがメインでは決してありません。

ddcph.hatenablog.com

話を戻しましょう。デザイナには大きくわけて2つの解釈があるわけですが、それぞれコードを書ける必要があるのかどうか。必要だとしたら、どの程度書ける必要があるのか。

まずUIデザイナや、Webデザイナと呼ばれる人たちに関しては、自分が思い描いたデザインを何らかの形で表現する必要があります。なぜなら、近年のWebだとか、スマホアプリでは画面遷移だとか、各UI部品の変化がユーザエクスペリエンスに与えるインパクトが大きくなっています。だから、実製品のコードは書けなくてもいいけど、動かすスキルは必要だろうな、と思います。これは例えば、SketchとFlintoだとか、Adobe XDが使えないと話にならないよ、という話です。

そして後者のデザイナですが、正直なところ、ものによるが正しいのではないかなと思います。機会を見つけてその解決策として必ずしもソフトウェアを使わなければならないわけでもないし、プロトタイピングの手法は多くあり、ソフトウェアを使わなくても目的達成出来る場合が多いためです。ただし、コードが書けたほうがプロトタイピングの幅は広がると言うのは間違い無いだろうな、とは思います。

また、以前下記の記事でも書いたように、無意識に魔法を使ってしまわないために、技術の知識は必要とも考えられます。

ddcph.hatenablog.com

ただしデザインスクールだけではなく、実際の業務においても、デザイン、エンジニアリング、ビジネスの各バックグラウンドの人が協業する事が理想とされていますので、理想的な環境に於いては、コードは書けなくてもそこまで不自由しないのかな、という気はしなくも無いのですが、このあたりの話は私もまだ整理しきれていないので、そのうち整理して書くことができれば良いなぁと思っています。