デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

「保存」はアップロードなのかダウンロードなのか

CIIDでのプロジェクトは基本的にデジタルを絡めたものが多いのですが、紙とペンだけを使って何かを考えて発表する、といったエクセサイズのようなものも多く取り入れられています。

上記の写真はGUIに関する授業で行われたもので、新しい保存アイコンを考えようというもの。いまだに多くのソフトではファイルを保存する際のアイコンとして、フロッピーが使われています。おそらく20年前とか15年前とかであれば、これはまさしくピッタリのデザインだったと思うのですが、現在では逆にフロッピーを使った事がある人のほうが少なくなっているはず。そうなるといずれ、フロッピーに代わるアイコンを作る必要が出てくるかも知れません。

と、上記のような説明があったあと、各学生がそれぞれ紙とペンで新しい保存のアイコンを考えはじめます。出来た人から前に出てホワイトボードに貼りだして行きます。

こうして見ると、クラウドを絡めたアイコンを描いている人が多いですね。ただし、クラウドを絡めると言っても、ある人のアイコンはアップロードをしているようにも見えます。手元で作った物をクラウドに保存するというイメージなのかな。しかしながら、クラウドからのダウンロードを保存アイコンとして考えている人も居てこれはこれで非常に面白い。

ダウンロードとアップロードのどちらが保存のイメージなのか。物を作る人からすると作った物を保存するという観点から、クラウドにアップロードするという発想になるのかな、と思います。しかしながらコンテンツを消費する側からすると、基本的にはコンテンツはインターネット上にあって、それを自分のデバイスに保存するという発想になるのでしょうか。つまり、そもそも保存という単語に2つの意味があるんですよね。フロッピーのアイコンが作られた当時、保存という単語は、自分で作ったデータを保管して置くという意味が中心だったように思うのですが、デバイスがネットワークに繋がるにつれて、入手したデータを保存するという事も普通に行われるようになっているんだな、と思ったりしました。