デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

世界を相手に日本語で戦う無印良品

上の写真は日本の住む方々からすると珍しくもなんとも無いものだと思うのですが、スペインからきた友人が使用していた無印良品の文房具の写真なのです。無印良品はこのところ海外で日本の製品を見ると嬉しくなってしまうので、ついつい話かけてしまったのだけれど、冷静に考えると少しおかしい。製品に貼ってあるラベルが日本語なのである。

あれ、日本語のラベルなの?これは日本で買って持って帰って来たの?と聞いてみたところ、スペインのバルセロナの無印良品で購入したという。そんな話をしていると、他の国から来た人たちが、スペインに限らず、ドイツでもロンドン、フランス、イタリアなど、他の国でも基本的には日本語のラベルが貼ってあるんだよと教えてくれました。

無印良品が海外でも好調であることは、下記のような記事からも知る事ができますが、ラベルが日本語だという事については触れられておらず、私はてっきりローカライズされているものだと勝手に信じており、とても驚きました。

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そして当然の事ながら、彼らは日本語のラベルが読めないので、「なぁミキオ、これはどんなことが書いてあるんだ?お前読めるんだろう?」と質問攻めにあってしまったのだけれど、そこで驚くのは彼らのカバンから次から次へと無印良品の文房具が出てくること。無印良品って海外でこんなにも人気で、普及しているブランドだったのかということにまたも驚かされました。

私はこれまで、海外向けに製品を出荷するときは、現地の言語にローカライズする事が基本だと思って居ました。例えば、私が大学を卒業して入った会社では、新入社員研修の一環として二ヶ月間程の工場実習がありました。そこでは同じ製品だったとしても、出荷先に応じて異なるラベルを張ったりだとか、色々と異なる作業があり、正直に言ってしまえば面倒臭かった事を覚えています。

だけど、無印良品では、日本向けに作った製品をそのまま海外に出荷しているわけなので、商品管理に関わるコストが一気に下がるはずです。それなりのメリットがあるのはわかるのですが、どういったプロセス、判断によって、それを実行したのかは少し気になるところです。