デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

技術力に差がある時に、どうすべきか

CIIDにおけるプロジェクトと言うのは、基本的にチームで取り組むものとなっています。チームの人数は2人から3人程度。場合によっては4人と言う場合もありますが、ごくたまに、と言うレベルです。

チーム分けに関しては、ランダムにくじ引きで決める事もあれば、教授が、今回はこういうチームでやりなさいと指示する事もあるし、「では3人のチーム作ってー!」といきなり教授から指示が飛んできて、周りの人とチームを構成する、と言う場合もあります。

例えば、今週は、データビジュアライゼーションに関する講義を受けており、与えられたデータ、もしくはネット上で公開されているデータだとか、TwitterやFacebook、Instagram等のAPIから取得したデータを用いて、何らかのビジュアライゼーションを行いなさいと言うプロジェクトに取り組んでおりました。

こういうプロジェクトの場合、作業の8割以上がプログラミングだとか、コンピュータの中での作業になります。私は一応コンピュータサイエンスのバックグラウンドがあるため、そこそこプログラミングが出来る人だと自負しているのですが、チームメイトが社会科学出身出会ったり、ファッション出身であったりとした場合にどうするかを考えなければなりません。

通常のデザインリサーチであれば、モノ作りの他にも、ユーザ調査をしたりだとか、見た目を整えたりだとか、テストを計画して実施したりだとか、エンジニアリング以外のタスクも多くあるので、チームメンバーそれぞれが各自に強みを発揮してチームのパフォーマンスを最大化させましょう!でおしまいなのですが、今回のようなプロジェクトだとこれが難しい。

成果を最大化させるのであればおそらく、私一人でソフトウェア開発を行って、ささっとプロトタイプを作ってしまい、チームメンバーで意見を出し合いながら、こうでもない、ああでもないと話をしながらブラッシュアップしていくのが良いのでしょうけれど、それでは他のチームメンバーからプログラミングをする機会を奪ってしまうことにもなり、結果として彼らがいつまでもプログラミング出来ないままになってしまう。

一方で、彼らに主体的にコードを書いてもらい、私がサポートするという形を取ることも出来なくは無いのだけれど、その場合は限られた時間内にどこまで完成するかわからないし、最悪完成しない可能性もある。しかもなんとか完成したとしても、おそらくブラッシュアップをする時間を取ることはおそらく難しいだろう、と思ってしまうわけです。しかしながらこの方法を取れば、おそらく彼らは多少プログラミングが出来る様になるであろうし、彼らの成長と言う面では良いようにも思える。しかし、それで私のメリットはなんだろう?と考えてしまうわけです。

さて、実はこういう悩みを持ったのは今回が初めてではありません。以前、Materials of Electronicsと言うコースでも、同じような状況がありました。

ddcph.hatenablog.com

結論から言うと、今回もチームメイトに作業を主体的にやってもらい、私は指示をすると言う形を取ったのですが、前回とはやり方が少し異なっていました。前回は細かいタスクまで、私が「これはこういう風にやるんだ」などと指示を出しつつ一緒にやっていたのですが、今回は他のチームメイトに、それぞれ異なる指示を出し、バラバラにやってもらい、やり方がわからない、うまく行かなかった際には私が随時サポートすると言う方法を取りました。そして私自身は主体的にはコード書かずに、積極的に雑用に回ってみました。これが良かった面もあれば悪かった面(主に私が退屈だったなど)もあったのですが、なかなか難しく次の機会があればもっとうまくやりたいなぁと思う次第。

次回は最初におらーってタスクを書き出してしまい、そこから好きなのを取ってもらうという形にするのが良いのかなぁと思っています。私はあえて難しいタスクと取りつつも主体的にコードを書く感じで。そうすればチームとしての成果と、彼らも、彼らなりに学ぶ事が出来るため、満足感が最大化されるような気がするんですよね。