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デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学の日々について書いています

ラフでも良いから短期間で作ってデモをする

イースター休暇の旅行から帰って来てまだ10日程しか経っていないのですが、既に3名もの、CIIDに興味を持って下さっている方とお話させていただく機会がありました。少しでもそういった方のお役に立てればと思い、私も時間が許す限り、CIIDのことであるだとか、コペンハーゲンでの生活について、またはCIIDに限らずデザインスクール云々についてなど色々とお話させて頂いています。コペンハーゲンまで来る機会がなかなか無いと言う場合はメールベースやSkypeなどでお話させて頂く事もありますので、少しでも興味を持って頂いている方はお気軽に連絡頂ければと思います。

さて、色々な人と話をしていて驚かれるのが、CIIDのスピード感。CIIDでの成果物はWeb等で公開しているのでご覧になって頂いている方もそれなりに居るのですが、それぞれのプロジェクトにどの程度の時間をかけているかについては、Webサイトには書かれていません。ひとつのプロジェクトにどれぐらいの時間をかけていると思いますか?

先に答えを書いておくと、基本的に、1プロジェクトにかける時間は1週間です。

CIIDのカルチャーとして、とにかく物を作る、アウトプットを出す言うことがあり、とにかく手を動かします。チーム分けを行ってからアイディア出しを行い、デモを行うまでを1週間で行います。また、週の前半は座学が行われる事が多いので、プロジェクトに使える時間は週の半ばからのおおよそ3日間(72時間程度)、場合によっては50時間程度の場合もあります。

その与えられた時間の中で、自分たちが何を作るかというのを1、2時間で決めてしまい、そのアイディアを説明するために、具体的に何を作れば良いか、何が必要かをささっと考え、その後はひたすら手を動かすわけです。もちろん作りながら軌道修正やアイディアのブラッシュアップも行っていきます。

そういうことをお話すると、びっくりされることが結構多いです。「そんなにスピード勝負だとは思わなかった」「1ヶ月ぐらいかけてじっくり作っているのかと思っていた」などと。

CIIDでは卒業制作と言う物があり、それに関しては二ヶ月程度かけて制作するのですが、それ以外のプロジェクトに関しては基本1週間で。長くても2週間と言う感じです。

教授陣が、どういう意図を持ってこういうカリキュラムにしているかは私にはわからないのですが、このスケジュールでモノ作りをしている中の人として、これにはいくつかのメリットがあるのかな、と思っています。

ひとつは、短い時間で何らかのモノを作り上げる事に慣れると言うこと。将来的に実プロジェクトでモノを作る際にはプロトタイピングを繰り返してクオリティを向上させていくことが必要かなと思っています。そしてその際に必要なのは、モノ作りのプロセスにおける各ステップで質を高めて行くと言うよりは、まずは全体をラフに作ってみること。そしてちょっとづつ改善していく事だと思うのです。ソフトウェア開発的に言ってしまえば、スクラムが近いようにも思っています。また、常に緊張感を持ってプロジェクトに取り組めると言う事も言えます。プロジェクト期間が長いと、どうしてもだらけてしまったりしますが、締切が目の前にあると、どうしても必死にやらざるを得ません。

ふたつ目は、面白いプロダクトが出てくる確率を高めるためということ。良さそうなアイディアを探すことに時間をかけて、時間をかけてプロトタイピングするよりは、良いかどうかわからないけれど、とりあえずサクッと形にしてみてから判断し、良さそうな物を更に育てるほうが結果的にヒット率が高くなるのではないかと思うのです。例えば、与えられた期間が1ヶ月だとして、1ヶ月かけて自分が良いと思う物をひとつ作るよりは、1ヶ月で4つ作ってみて色んな人の反応を見たほうが、将来の芽を見つけやすいのではないか、と。

そして最後に、フォーカスの問題があります。時間があれば、自分のアイディアをあれもこれもと詰め込みたくなってしまいますが、締切が目の前に迫ってきているとそういうわけには行きません。自分たちのアイディアのキモとなる部分はどこかを考え、それにターゲットを絞って形にせなばなりません。

個人的な想いとしては、プロジェクト期間が短いと言うのは、実際大変ではありますが、ある意味で理にかなって居るのかなとも思いますし、その大変さをみんな楽しんでいる。と言うのが実際のところかな、と思っています。