デンマークに来て最大の悩みがこれ。こちらで売っているパンって、説明が難しいんですが、白い針金のようなものでとめてあるんですが、これが非常に使いにくい。非常に使いにくいにも関わらず、こちらのパンはほぼすべてこれなんです。
これだけではわかりにくいと思うので、袋から外した物を見てみましょう。
これの問題点は少し考えるだけで、下記のようなものが挙げられます。
- 針金なので、いったん開くと、元のような鋭角にするのが難しい
- 針金なので、端に触れると指が痛い
- 針金なので、何度も開け閉めしていると折れる
などなど、あげればキリがありません。そこで、私は日本で良く見かけるアレを自作することにしました。ちなみに名前は、バッグ・クロージャーって言うらしいですね。初めて知りました。
まず、元となるデータですが、パンのアレを作っていらっしゃるクイックロックジャパンのWebサイトから製品カタログを見つけてきます。
このデータは、PDFなのですがIllustratorで開くと下記のようにベクトルデータとして扱う事が出来ます。
ですのでこれを、レーザーカッターで加工出来るかたちにしてやれば良いわけです。ちょっとサイズ感がわからなかったので、左から、1cm、1.5cm、2cmと5mm刻みで5種類のサイズを作って見ました。
そして、これをレーザーカッターで加工してみます。とりあえず材質は手元にあった厚さ3mmのMDFを使ってみます。
その結果、できたのがこちら。
ただ、結論から言うと、入り口が狭すぎて、とてもじゃないがパンの袋が入りません。一番大きいもの(2.5cm)でもこのありさまですからね。
やはりプラスチックと違って変形がほとんど無いので、この入口では難しいのでしょうか。しかしながら、大きさとしては2cmのものが使いやすそうなことが判明したので、今後は2cmの大きさで作って見ることにしました。
そして、元のかたちでは袋を挟めないと言う事実が判明したので、入り口のサイズを1mm、2mm、3mmと変えて作って見ることにしました。(ちなみに最初に作ったものは、入口の幅が0.3mmしかありませんでした。)
今度こそうまく行ってくれと思いながら、カットします。
そして出来上がった物がこちら。
入り口が3mmのものは、比較的袋を閉じやすくて、うまくいったように思えます。
しかし世の中そんなに甘くはなく、これにも問題がありました。パンのアレを袋から外そうとした時に、ツメがパンの袋に引っかかってしまってうまく外れないのです。
仕方がないので、出口の部分を改良したのがこちら。
さぁ、今度はうまくいくでしょうか。
結果がこちら。
そしてはめてみたところ、こんな感じ。
写真ではいまいち伝わらないのですが、はめやすく、出しやすいと言う、非常に利便性の高いパンの袋をとめるアレが完成しました。
なお、どうしてもレーザーカッターでパンのアレが欲しいと言う方がいらっしゃるかもしれないので、今回作成したAIファイルをDropboxで共有します。パンの袋の密封性などについて何の保証もありませんが、必要な方は下記URLからダウンロードしてください。改変再配布などご自由にどうぞ。