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デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

プロトタイピングは質よりスピード

プロトタイピングにも様々な手法があり、各手法の中でもラフなものから作りこんだものまで存在します。簡単に手っ取り早く作った最低限のものをquick and dirty prototypeと呼んだりするのですが、文字通り、見た目は最低限でいいからさっさと作ったもの、と言うことですね。

CIIDの授業の中でも、短い時間で次から次へとアウトプットを出すことを求められて居るのですが、デザインのプロセス、特にチームでのプロジェクトにおいては、完璧出ないことを恐れずに、中途半端なものでも良いからとりあえず目に見える事が大事なのではないか、と最近感じ始めています。その理由を幾つか書いてみます。

短い周期でプロトタイピングを行う事でチームの意識をまとめる

チームで議論をしていると、一見してメンバーが同じ方向を向いている様に思うものの、実はそれぞれが別の事を考えていた、なんてことは良くある話です。

私が日本で仕事していた時ですらそうなのですから、海外でバックグラウンドの異なるメンバーと一緒に作業していたらどうなるかなんて考えるまでもありません。

アイディアが固まったから、さぁプロトタイピングだ!とか思ってしっかりとしたプロトタイプを長時間かけて作って見たものの、それぞれが考えて居たものとぜんぜん違う!なんてことも想像に難くありません。

こういう悲劇を防ぐためにも、アイディアの方向性が見えてきたら、ペーパープロトタイピングだとか、ストーリーボードだとかでぱぱっと1時間ぐらいで簡単なプロトタイプを作って、メンバーの考えに相違が無いことを確認して次のステップに進むというのは無駄なプロセスでは無いはずです。

アイディアをブラッシュアップする

初めて作ったプロトタイプが完璧ってことは多くの場合無いはずです。もっと良くする方アイディアだとか、何かうまく行かなさそうな点だとか、きっと多くの改善点が見つかるはずです。

こういう改善点って、議論だけだとなかなか気が付かなかったりしますが、ラフなものだったとしても、目の前に何らかの成果物があると次から次へと意見が出てくるんですよね。議論中、そしてプロトタイプ作成中は完全に当事者だけれど、作ったプロトタイプを目の前にすると第三者に近い立場を得られ、自分たちのアイディアを客観的に見ることが出来るからなのかな、と思います。

第三者からのフィードバックを受ける

プロトタイプを作る事で、第三者に近い立場を得られると書いたものの、それでもやはり自分たちは当事者なので、アイディアに思い入れが思い込みがあるのは間違いありません。そこでやはり必要となるのが、アイディア創出に関与していない、プロトタイプだけを見てコメントをくれる第三者です。

このプロトタイプを見せる対象となる第三者は、プロトタイピングの段階によって変わって行くのが普通で、最初は同僚、次にステークホルダー、最後に顧客といった感じでしょうか。

おわりに

プロトタイピングに置いては質を妥協してでも早い段階でプロトタイピングを行う事で、様々なメリットがあります。早い段階で何らかの成果を出すと言うのは、TimeBoxingにも密接に関連しては来ます。TimeBoxingはデザインだけでなく、ソフトウェア開発だとか、様々な分野のプロジェクトマネジメントに使用できる手法のようなものです。と言うことは拡大解釈してしまえば、量よりスピードを重視することが有効なシチュエーションは、デザインに限った話ではないのかもしれません。デザイン以外の仕事であっても、完璧に仕上げてからレビューを行うのではなく、ラフな段階で同僚や上司からフィードバックをもらい、完成度を高めていくと言う方法は有効なはずです。