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デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学の日々について書いています

アイディアが持つ力と価値

アメリカの大学でデザインを勉強している方がコペンハーゲンに滞在されて居るので、CIIDの偉い人達を紹介し、ついでに私もご挨拶に行って来ました。

アメリカの大学と、CIIDのやり方の違いなどについても話が及んだのだけれど、それはまたの機会に紹介するとして、今日は壁に貼ってあった下記のポスターについて。

Nur eine Idee hat die Kraft, sich so weit zu verbreiten.

これは調べたところ、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ(Ludwig Mies van der Rohe)氏が、1953年5月18日にブラックストーンホテルシカゴで行わたヴァルター・アードルフ・ゲオルク・グロピウス(Walter Adolph Georg Gropius)の誕生日パーティでのスピーチ中の言葉だそうだ。

Probstzella.de -  Großes Erbe

ミース・ファン・デル・ローエ氏の経歴についてはWikipediaが詳しいのだけれど、世界的に有名な建築家で、バウハウスの三代目学長を務めている。「神は細部に宿る」の人と言った方が、日本では通りが良いかもしれない。

ミース・ファン・デル・ローエ - Wikipedia

英語だとOnly an idea has the power to spread so farとかJust an ideahas the power to spread so farとか訳されてる事が多いような気がするんだけど、日本語だと、どう訳すのが良いのかなと思って調べて見たところ、下記のブログの方が「たった一つのアイデアが持つ力、それが世界を広げていくんだ。」と訳されている。

frauffm.exblog.jp

また、下記のタンブラーの記事によると、利光巧・宮島久雄・貞包博幸によって書かれた『バウハウスとその周辺Ⅱ 理念・音楽・映画・資料・年表』中央公論美術出版,1999,p.7.で「ただ理念のみがかくも大きく広がる力を持つ。」と訳されているようです。

http://hn314.tumblr.com/post/304544670/

この発言のコンテクストととしては、バウハウスの歴史(ナチスによる迫害など)に触れる必要があるので、なかなか説明し難いところもあるのだろうけれど、つまりはアイディアには力がある。アイディア無しに、何かを成し遂げられないのようなことを意図しているんだろうなと思います。

ところで、スタートアップ界隈では、アイディアには価値が無いというのもよく耳にします。例えば下記のブログでも言及されています。

www.wantedly.com

これ、誰が言い出したのか調べてもちょっと良くわからなかったのだけれど、例えばポール・グレアム(Paul Graham)が2005年10月に下記の記事の中で、「startup ideas are worthless.」と書いている。

Ideas for Startups

これより古いものは無いかなと思ったらJohn Maxwell氏がAn idea is worthless unless you use it.と言っていたり、Harvey Mackay氏がIdeas without action are worthless.と言って居たり、とにかく色々な人が同じような事を言っているようです。

「アイディアは力を持っている」と「アイディアには価値が無い」と言うのは一見すると矛盾しているようにも見えるのだけれど、結局のところアイディアをアイディアだけの状態にしておくことでは何の価値も生まなくて、形にしたり、広めたり、何らかのエネルギーをくわえることによって爆発する可能性がある物、と言う事なのかも知れません。