デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

口頭試問に大きな時間をかけるがデンマーク流

Exam

学生の評価をどうするかと言うのは、どこの国のどこの学校の先生であっても悩ましいところでは無いかと思うのですが、日本とデンマークで大きく違う点を上げるとすれば、ペーパーテストよりも口頭試問を重視すると言う点があげられます。

口頭試問を重視する理由としては、ペーパーテストよりも学生の理解力をより正確に測る事ができるというものです。ただし、学生を落とすために試験をするよりは、何を理解していて何を理解出来ていないかを把握するする事によって、学生の能力をもっと伸ばそうと言う考えがベースにあります。口頭試問を行うと言う事はそれなりにコストがかかります。

下記の記事でも少しだけ書いたのですが、例えば私の留学先であるCIIDでは1週間かけてテストを行います。

ddcph.hatenablog.com

一人の学生につきプレゼンを30分と質疑応答が10分で合計40分。これを全学生に対して行うわけですから、学生数が20名強と比較的少数であってもほぼ1週間がテストのためだけに必要となります。

しかも試験の評価は普段指導している教授が行うわけではなく、例えば他大学の教授など、ほぼ初対面の人を呼んで評価を受けます。教授と言えども人間ですから、教え子とはいえ、この子は頑張ってるからとか、この子のことはあまり好きではないからなど、本来あってはならないのですが多少のバイアスがかかってしまう事は否めません。接点の無い専門家から評価を受ける事によって、そのような要素を排除出来ると言う目的もあるのですね。

私はてっきりこのやり方の試験はCIID独自のものかと思って居たのですが、CBS(Copenhagen Bussiness School)やDTU(Technical University of Denmark)の先生方に話を聞いても同様のやり方をしているとのことで、うちの学校だけじゃなかったのかと驚きを覚えました。

なお、デンマークにおいて口頭試問は大学に限ったものではなく、小学校や中学校の時から積極的に行われているようで、彼らに取ってはこの形式のテストが当たり前とのこと。確かにコストはかかるものの、将来を担う子供達の教育にしっかり投資する点は非常にデンマークらしいなぁと思った次第です。