デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

デザイン

スターデザイナーをスターたらしめるものは何か

世の中には、佐藤可士和さんだとか、深澤直人さんだとか、ちょっとデザインに興味のある人なら名前を知っているようなスターデザイナが居る。そうしたデザイナーと、世の中にゴマンといる平均的なデザイナーの違いは何だろうか。 そこまでいかなくても、例え…

People-Centered Designによるコンセプト作成手順まとめ

People-Centered Designは、価値のある製品やサービスを生み出すための手法であってデザイナにとって非常に強力なツールであることはもちろんなのですが、実は新しいものを生み出す事に携わるすべての人に取って、価値のあるデザインプロセスなのではないか…

アイディアをコンセプトに昇華させる

前回、インタビューを可視化して、そこからインサイトを抽出し、そこから問題解決の方向性を設定する手順について紹介しました。 ddcph.hatenablog.com 今回は、そのオポチュニティに対してアイディア出しを行い、ソリューションとしてまとめて提案するとこ…

インタビューからインサイトを抽出し問題解決の方向性を設定する

今週はピープルセンタードリサーチ(people-centered design)の授業を受けています。これまでの授業の内容は下記の記事でも書いていますが、今回は、インタビュー結果から、問題解決の方向性を設定する方法について書いていきます。 ddcph.hatenablog.com d…

アイディアを選んだ理由をどう説明するか

何らかのアイデアを考える時、多くの場合たくさんのアイデアから1つ選ぶことになると思うが、多くの可能性の中から、何故それを選んだのか?に答えるのは意外と難しい。 アイディアを自分で考えてそのアイデアを自分で実行するのであれば、そのアイディアを…

インタビュー時に使用するツールの効用とその種類

昨日は、デザインリサーチの計画について下記のような記事を書きました。そしてやはり基本であるインタビューについて計画の建て方について説明しかけたのですが、肝心のツールについて説明出来ていませんでしたので、この記事で説明する事ができればと思っ…

デザインリサーチで重要なWho、Where、What

前回の続きです。 ddcph.hatenablog.com 前回の記事で、Research Objectiveの設定について書きましたが、そのResearch Objectiveを達成するための方法について計画をたてる必要があります。 計画に関して、重要なのは大きく分けて3つ。Who、Where、Whatです…

とあるスポーツ施設のデザインリサーチプロジェクトにおける目標設定

先週から、People Centred Designの授業を受けています。この授業では、実際に課題を与えられて、リサーチを行い、何らかのソリューションを提案すると言うもの。 以前、下記のような記事を書きました。この中でデザイナの役割には、機会探索、ストーリーテ…

デザイナに求められる3つの役割

下記の記事にも書いたのだけれど、デザインとは問題解決の手段であり、新しい価値と機会を創りだす行為でもある。つまり、デザイナーに求められる役割とは何かと言うと、問題解決をしたり、新しい価値や機会を生み出す人ってことになるのであろうか。 ddcph.…

アイディア発案者が課題検証までやる試み

ddcph.hatenablog.com 以前、経験と共感についての記事を書いたのですが、しかし、ここで問題に気が付きます。 経験の共有は簡単ではない 学校のプロジェクトのような場合であれば経験を共有してそこから課題を見出すと言うことが容易に可能です。だけどこれ…

マーケティングリサーチとデザインリサーチの違い10個

製品やサービスが想定するターゲットについて調べる事は、ビジネスを行う上で非常に重要であるということは間違いがありませんが、混同されることも多いのがマーケティングリサーチとデザインリサーチのふたつ。これらがどのように違うのか授業でも触れたの…

パンの袋をとめるアレが欲しかったので作った

デンマークに来て最大の悩みがこれ。こちらで売っているパンって、説明が難しいんですが、白い針金のようなものでとめてあるんですが、これが非常に使いにくい。非常に使いにくいにも関わらず、こちらのパンはほぼすべてこれなんです。 これだけではわかりに…

デザインにおけるビデオプロトタイピング

先週からビデオプロトタイピングの講義を受けています。プロトタイピングにも幾つか種類があるのですが、中でもささっと作れて、内容が伝わりやすいものということで、実際のデザインの現場でも重宝されているのがビデオプロトタイピングとのことです。 具体…

テクノロジードリブンとデザインドリブンなスタートアップ

こちらに居てやはり意識するのが、このアイディアをどうやって事業に繋げるかと言うこと。他の学生さんと話をしていても、バックグラウンドとして起業していたと言う人はやはりそれなりに多いし、卒業後は起業したいと考えている人だって珍しくない。 ところ…

プロトタイピングは質よりスピード

プロトタイピングにも様々な手法があり、各手法の中でもラフなものから作りこんだものまで存在します。簡単に手っ取り早く作った最低限のものをquick and dirty prototypeと呼んだりするのですが、文字通り、見た目は最低限でいいからさっさと作ったもの、と…

ボトムを支えるのではなく、トップをもっと引き上げる

こちらに来てから何度か感じている事のひとつが、こちらではボトムを支えて底上げするのではなく、トップをもっと伸ばすためにリソースを割く傾向があるな、ということ。 トップを引き上げる授業 例えば、下記のブログ記事にも書いたのですが先週は授業の中…

目にうつる全てのことはメッセージ

先週は下記のように、インタラクションデザインの講義を受けていました。 ddcph.hatenablog.com ddcph.hatenablog.com ddcph.hatenablog.com プロセスを記録し、残しておく 講義の内容としては、上記の記事を参照してもらうと良いかなと思うのですが、講師の…

課題抽出からアイディア創出の流れ

先週はインタラクションデザインの講義だったのですが、以前にも述べた通り、CIIDはLearning by Doingをモットーにしており、講義だけで終わる事は無いのです。 Transportationプロジェクト 今回のテーマは以前、下記の記事でも書いたように「Transportation…

インタラクションデザインはユーザーにフォーカスする

先週はインタラションデザインの講義を受けていました。講師はMatt氏とBlair氏。お二人はカナダのトロントにあるNormativeから来て下さっており、Matt氏はパートナーおよびデザインディレクターを、Blair氏はアソシエイトデザインディレクターとのこと。日本…

多様性を活かすには論より経験

現在取り組んでいるプロジェクトでは、「Transportation」と言うテーマだけ与えられて、チームで課題設定、解決法模索、プロトタイピング、プレゼンテーションまでを行います。 噛み合わない議論 最初は、どのような課題が良いかチームでディスカッションし…

動画作りでストーリーテリングを学ぶ

先週はIDEO TokyoからCo-DounderのMike氏とAmelia氏に来ていただき、Art & Science of Storytellingというタイトルで講義をしていただきました。内容としてはIDEOの紹介にはじまり、マーケティングリサーチとデザインリサーチの違いなどの説明、またインタビ…

Too Good To Goによるレストランとテイクアウト客マッチングの試み

下記の記事でも書いたのだけれど、デンマークは食べ放題レストランが多い。 ddcph.hatenablog.com 食べ放題レストランの課題としては、営業時間終了後に残った料理をどうするか、だろうか。閉店前だからといってビュッフェ台に並ぶ料理が少なかったらお客さ…

仮説検証プロセスとしてのプロトタイピング

CIIDにはLerning By Doingと言う考え方があり、授業の内容もこれに沿ったものとなっています。もちろん座学で理論についての説明を受ける事もあるのですが、時間配分で言うと圧倒的に少なく、体感的には10%が座学、残り90%が実習と言った感じでしょうか。 実…

世界は思い込みで出来ている

CIIDの大きな特徴ひとつに、それぞれの授業で世界中から選りすぐりの教授陣を招聘していると言う点があげられます。実は、普段からCIIDの建物に居て教育部門に携わって居るのは、CIIDの共同創設者のAlieさんのみ。他にもITだとか、ファシリティだとか、事務…

デザインは問題解決って誰が言ったの?

デザインとは問題解決の手段である。デザインに少しでも興味を持ってかじった事がある人なら、こんな感じのフレーズを聞いた事があると思う。英語圏でも、Design is About Solving Problemsみたいな記事をいくらでも見つける事が出来るので、おそらくこれは…

多様性と最大公約数

photo by Spiva Arts 日本でも、多様性、ダイバーシティの重要性が注目される様になってしばらく経つように思います。多様性と言うのは色々な側面があって、国籍だとか出身地、性別、宗教、バックグラウンドなどその人の属性的な問題もあれば、楽天的だとか…

アイディアが持つ力と価値

アメリカの大学でデザインを勉強している方がコペンハーゲンに滞在されて居るので、CIIDの偉い人達を紹介し、ついでに私もご挨拶に行って来ました。 アメリカの大学と、CIIDのやり方の違いなどについても話が及んだのだけれど、それはまたの機会に紹介すると…

2016年に注目すべきデザイントレンド10選

はじめに デザイン会社のフィヨルドが毎年、翌年のデザイントレンドを予想して発表しています。この内容に興味を持ったので英語の勉強をかねて、また近年のデザイン動向を掴むため、私なりに簡単に要約してみました。なお私による意訳が入っていますので詳細…