デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

How Might Weクエッションをどう選ぶか

Choose.

1時間のブレインストーミングセッションで使用できるのは、せいぜい3個ぐらいでしょうか。それ以上のHow Might Weクエッションを作ってしまった場合は、実際に使用する物を選ぶ必要があります。

選ぶ基準、としては、方向性として広すぎず、狭すぎないもので、かつブレインストーミングが盛り上がりそうなもの。また、解決策がテクノロジカルになりそうなものに関しても、これが技術系の研究室だったりであれば良いのかもしれませんが、デザインスクールにおけるブレインストーミングには向いていません。

それからやはり大事なのが、自分自身の興味。この問題を解決出来たとして、自分が楽しいかどうか、と言うのはやはり大切なファクターになるのではないかと思います。

もちろん、これが企業等をクライアントとした仕事であれば自分が楽しいかではなく、企業としてその方向性に価値があるかなども重要な基準になるのでしょうが、これはファイナルプロジェクト、すべての責任は自分にありますし、その成果も自分のものとなります。であれば、やはり自分が興味を持つかというのは重要なポイントだろうなと思居ます。

ちなみに、今回作成したHMWについて紹介をすると、例えば下記のような物がありました。

コミュニケーションの中で他人に写真を見せるとき、スマホの中やインターネットから写真を探す時間をその場にいる人にとって楽しい時間に変える方法は?

例えば、インタビューを通して、写真の使い方としてスマホの中に入っている画像を会話の中で見せる事がある という事がわかりました。まぁ、自分でもよくする事なので、わかったという表現が適切かどうかはわからないのですが。しかしながら探すのに時間がかかる場合ってのが結構あるんですね。秒数にして、たかだか5秒とか10秒だったとしても、会話が不自然に途切れてしまう事があります。この時間というのは、写真を探している人以外に取っては待ち時間なわけですが、この時間をその場に居る人に取って楽しい時間に変える事ができないか?というHMWを作成しました。

他の例としては例えばこのようなものもあります。

旅先で出会った人と写真を通して、その場限りではないコミュニケーションを撮る方法は?

これは例えば、旅先にて知らない人に対して写真の撮影を頼むシーンというのはよくあるわけですが、こういった行為ってその場限りなんですよね。その場限りの気軽なコミュニケーションというのも良いのですが、多くの人はそれをあまり良く思っておらず、言ってみればそのためにセルフィースティックなんてものがあるとも言えるわけです。であれば、人に写真撮影を頼む事から始まる良い関係であったり、何らかの面白さがあっても良いのでは?と思うわけですね。

他にも、このような文章を10個ぐらい作成して、文章の狭さや広さだったり、私自身が感じる面白さなどを基準に3つほどの文章を選び、明日のブレインストーミングセッションに挑む事にしました。

How Might Weクエッションの作成に取り掛かる

2週間のインダストリープロジェクトを挟んだ月曜日、本日から再びファイナルプロジェクトに取り組み始めます。ファイナルプロジェクトの進捗はと言えば、前回のエクスターナルレビューから特にありません。しかしながら、今週は火曜日水曜日にブレインストーミングセッションをするよという事なので、それの準備をしなければなりません。

ブレインストーミングセッションと言うのは、このブログでも何度か書いている気がするのですが、ホストが用意したHow Might Weクエッションに対して、参加者がアイディアをガンガン出していくものですね。

そしてこれを開催するためには主催者はHow Might Weクエッションを作らなければなりません。How Might Weの作成に関しては、インサイトを参考にという事なのですが、前回のエクスターナルレビューの際にインサイトにダメ出しをされて、もうちょっと練らなければならないなと思っていた私としては、大慌てです。とは言え、もう時間も無いですし、現段階のインサイトからHow Might Weを作成するしかありません。

How Might Weクエッション自体は、もう何度も作って来ているとは言え、いまだにやはり慣れません。もちろん下記の記事にも書いたように基本的な作り方というのはあるわけですが、それだけを参考にして良いHMWが作れるかというとそういうわけでは決して無く、やはり色々な試行錯誤が必要になってきます。

ddcph.hatenablog.com

また、上記記事にはHMWの種類にしか触れて居ませんが、実際にはもう少し制約を加える必要があったりします。例えば、◯◯を◯◯する方法はないだろうかだけではなく「スマートフォンのアプリケーションを使って」だったり、「他の人と協力して」など、問題を解く方向性をある程度示して上げるわけですね。

良いHMWを作る目的というのは基本的には、ブレインストーミングを盛り上がるためであるのですが、盛り上がったとしてもHMWの示す内容が広すぎるとアイディアが発散してしまいますし、狭すぎると逆にアイディアが全然出ないということにもなりかねません。このあたりのさじ加減というのが本当に難しいのだろうなぁと思います。

日本からのお客様

Twitterで知り合ったひささんが、コペンハーゲンにお越しになりました。

twitter.com

ひささんは、自転車でヨーロッパを旅行するために日本から来られたという事で、コペンハーゲンをスタート地点にして、ドイツ、オランダ、ベルギー、フランスと南下する計画だそう。海外旅行は初めてとのことなので、色々と心配ではあるのですが、長期間お休みを取ってこのような形で旅行出来るというのは素直に羨ましくもあります。

さて、コペンハーゲンを旅行のスタート地点に選ばれたのも何かの縁という事で、コペンハーゲン市内でお会いする事に。生意気にもデンマークの事などいくつかお話させて頂きました。

ひささんは今晩泊まる場所をまだ決めてらっしゃらないという事だったので、我が家へどうぞという事で、一泊されて、翌朝オーデンセ方面に向けて出発されました。旅行の無事をお祈りしています。

インダストリープロジェクトとNDA

NDA

インダストリープロジェクトに取り組むにあたってはNDAの締結を求められます。我々のクラスは24名なので、12名ずつの2チームにわけて、それぞれ別の企業とのプロジェクトに取り組んで行くわけですが、プロジェクトが始まると学生同士であったとしても、お互いのチームが何をやっているのかは完全に秘密です。

もちろん、最初にそれぞれのプロジェクトの概要の説明があって、各学生が自分自身の興味があるプロジェクトを選べるようになっているので、どのようなプロジェクトに取り組んでいるかについては知っているのですが、具体的なブリーフの内容ですとか、進捗具合に関しては全く内緒。普段は一緒の教室で授業をプロジェクトに取り組んでいる我々ですが、インダストリープロジェクトに関してはそれぞれ別の部屋がプロジェクトルームとして与えられ、内容がわからないように配慮されています。

実際のクライアントプロジェクトであれば、このような形を取るのは当然中の当然だとは思うのですが、これまで無かった事でもあるので新鮮であるなぁと感じました。

インダストリープロジェクトについて

CIIDのカリキュラムの中には、インダストリープロジェクトと呼ばれるものがあります。インダストリープロジェクトというのは実際の企業が持つ課題であったり、プロジェクトなどに学生が取り組んで提案を行うもので、言ってみれば実際のデザインファーム、イノベーションファームの仕事内容を体験出来るようになっています。

基本的には、既に取り組んだような、コペンハーゲン図書館であったり、スポーツ施設のプロジェクトに近いもので、クライアントが営利企業であるという点を除けば、そこまで大きな違いと言うものも無いように感じています。

これまで我々が取り組んできたPeople Centerd researchのプロセスに沿って、リサーチを行い、リッチプロフィールを作成して、インサイトを抽出し、オポチュニティを設定し、アイディアチャレンジを行い、プロトタイピングへと進めて行きます。

他のデザインスクールでも同様なのかもしれませんが、CIIDで良いなと感じる点のひとつは、こうしたプロセスに沿ったデザインワークを行う点が挙げられるように感じています。プロジェクトの内容はそれぞれ違うものの、プロセスに沿ったデザインリサーチが学生に求められ、学生は徐々にではあるもののこのプロセスに慣れて行き、じきに使いこなせるようになっていきます。

以前、他の人と話をしていて、デザイン思考のようなデザインプロセスと言うのは武道の型のようなものであって、それを繰り返し練習して身に付けていくことで、様々なシチュエーションにおいて使いこなせるようになる、と。CIIDではそのための機会が多くあり、各学生がプロセスを理解し、使いこなせるようなカリキュラムになっている点が非常に良いなと感じて居ます。

ミラノからベルガモ空港、そしてコペンハーゲンへ

ベネチアからミラノに戻り、早朝の飛行機でコペンハーゲンに戻ります。飛行機は6時台だったので、5時には空港につきたい。ミラノ中央駅からベルガモ空港までは小一時間と聞いて居たので、そうなると4時頃のバスに乗る必要があります。ということは遅くとも3時過ぎには起きなければならないわけで、バスや飛行機の中で寝れるとはいえ、結構きつい。しかしながらチケットの安さには敵いません。コペンハーゲンミラノ往復が1万円なのですから、文句は言っちゃ駄目なやつですよね。

ちなみに早朝とは言え結構な人が空港におりチェックインや、セキュリティ通過などにそれなりの時間が要しましたちょっと早めに空港についていてよかったなーと思う次第。

 

ベネチア二日目

ベネチアは二日目に突入です。まずはホテル近所のバールで朝食。イタリアでの朝食といえば、やはり定番のコーヒーとクロワッサンですね。

そしてベネチア市内をふらふら。例えばこれはリアルト橋の上から。

下から。

そしてこちらはアカデミア橋。木造の橋なのだそう。

アカデミア橋からサンマルコ広場の方へ歩いていくと、マーケットが行われていました。

そしてこちらはサンマルコ広場を、寺院の上から撮影したもの。

そしてランチ。海鮮の盛り合わせ。

それからパスタ。

それからやはり今日もジェラートに。

なんやかんやで街歩きしてたら暗くなってきたので駅に向かう。

この後はミラノまで帰ってホテルに宿泊。