デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

インダストリープロジェクトについて

CIIDのカリキュラムの中には、インダストリープロジェクトと呼ばれるものがあります。インダストリープロジェクトというのは実際の企業が持つ課題であったり、プロジェクトなどに学生が取り組んで提案を行うもので、言ってみれば実際のデザインファーム、イノベーションファームの仕事内容を体験出来るようになっています。

基本的には、既に取り組んだような、コペンハーゲン図書館であったり、スポーツ施設のプロジェクトに近いもので、クライアントが営利企業であるという点を除けば、そこまで大きな違いと言うものも無いように感じています。

これまで我々が取り組んできたPeople Centerd researchのプロセスに沿って、リサーチを行い、リッチプロフィールを作成して、インサイトを抽出し、オポチュニティを設定し、アイディアチャレンジを行い、プロトタイピングへと進めて行きます。

他のデザインスクールでも同様なのかもしれませんが、CIIDで良いなと感じる点のひとつは、こうしたプロセスに沿ったデザインワークを行う点が挙げられるように感じています。プロジェクトの内容はそれぞれ違うものの、プロセスに沿ったデザインリサーチが学生に求められ、学生は徐々にではあるもののこのプロセスに慣れて行き、じきに使いこなせるようになっていきます。

以前、他の人と話をしていて、デザイン思考のようなデザインプロセスと言うのは武道の型のようなものであって、それを繰り返し練習して身に付けていくことで、様々なシチュエーションにおいて使いこなせるようになる、と。CIIDではそのための機会が多くあり、各学生がプロセスを理解し、使いこなせるようなカリキュラムになっている点が非常に良いなと感じて居ます。

ミラノからベルガモ空港、そしてコペンハーゲンへ

ベネチアからミラノに戻り、早朝の飛行機でコペンハーゲンに戻ります。飛行機は6時台だったので、5時には空港につきたい。ミラノ中央駅からベルガモ空港までは小一時間と聞いて居たので、そうなると4時頃のバスに乗る必要があります。ということは遅くとも3時過ぎには起きなければならないわけで、バスや飛行機の中で寝れるとはいえ、結構きつい。しかしながらチケットの安さには敵いません。コペンハーゲンミラノ往復が1万円なのですから、文句は言っちゃ駄目なやつですよね。

ちなみに早朝とは言え結構な人が空港におりチェックインや、セキュリティ通過などにそれなりの時間が要しましたちょっと早めに空港についていてよかったなーと思う次第。

 

ベネチア二日目

ベネチアは二日目に突入です。まずはホテル近所のバールで朝食。イタリアでの朝食といえば、やはり定番のコーヒーとクロワッサンですね。

そしてベネチア市内をふらふら。例えばこれはリアルト橋の上から。

下から。

そしてこちらはアカデミア橋。木造の橋なのだそう。

アカデミア橋からサンマルコ広場の方へ歩いていくと、マーケットが行われていました。

そしてこちらはサンマルコ広場を、寺院の上から撮影したもの。

そしてランチ。海鮮の盛り合わせ。

それからパスタ。

それからやはり今日もジェラートに。

なんやかんやで街歩きしてたら暗くなってきたので駅に向かう。

この後はミラノまで帰ってホテルに宿泊。

ミラノからベネチアへ

朝早く起きてミラノからベネチアに向かいます。ホテルに着いたのが2時頃で、ホテルを出たのが6時半とかなので、何のためにホテルを取ったんだという気もしなくは無いですが、さすがに野宿は体力的にきついですからね。

さて、ミラノ中央駅を7時5分発の特急列車に乗り込みます。

列車に揺られること二時間半ほどかな、ついにベネチアに到着

駅を出ると、運河とドームが迎えてくれます。

このあたり、如何にもベネチアという感じがしますが、このような風景が無限に広がって居るわけです。

これがゴンドラですね。

ちなみにベネチア滞在中、結構暑かった事もありジェラートが大変有り難かったです。

これはため息橋と呼ばれる橋だそうです。が、そういった事は知らずゴンドラがいっぱい通っているから撮影したのです。

そしてこれがサンマルコ広場。大きな時計台が目立ちますね。

さて、ベネチアを散策しているとお腹も空いてきますので夕食に。いつものごとく、トリップアドバイザーで評判の良さそうなお店を探して入ります。注文したのは、海老のようなものと、イカ墨のパスタ。

その後は、水上バスに乗ってサンマルコ広場に戻ります。

こちらは夜中まで大勢の人がおり、大変盛り上がって降りました。

ベネチア旅行(1日目)

週末を利用してベネチアへ。いつも通り、金曜の夕方までは大学にてプロジェクトを進め、金曜夜にコペンハーゲン空港からミラノはベルガモ空港へ。この時間帯に空港にくるのもいつの間にやら慣れてしまいました。

ベルガモ空港についたのは日付が変わった頃。とりあえずミラノ中央駅の近くにホテルをとっているのでミラノ中央駅まで向かいます。空港を出るとバスが止まっているので迷う事はありませんね。バスの前に立っているスタッフにチケットを買いたい旨を伝えればOK。運賃は片道5ユーロでした。往復で9ユーロとのことでしたが、バス会社は複数あり、戻りの時刻に合わせて柔軟にバスを選びたいので片道だけを購入することに。しかしながら、この時間まで運行しているのは大変有り難い。

バスに揺られること40分。ミラノ中央駅に到着します。話を聞いたところ、ミラノ中央駅の右側と、左側でベルガモ空港とマルペンサ空港行きが別れているらしいので、空港に行く方は要注意です。駅に向かって右側がベルガモ空港。左側がマルペンサ空港です。

せっかくなのでホテルに向かう前に中央駅の様子を撮影。時刻は夜の2時ですが、それなりに人がおります。浮浪者?と思われる方面多いので、一人で歩かれる方は要注意です。

 

 

インタビューの内容をまとめる

インタビューを終えたあとはリッチプロフィールの作成に進みます。

授業でやった内容としては、インタビューを作成したあとはリッチプロフィールと呼ばれる資料を作ります。リッチプロフィールに関しては下記の記事を見て頂くのが良いかと思います。

ddcph.hatenablog.com

ただし、この資料に限った話ではないのですが、こういったものを作るにあたって必要なのは「何のために資料を作成するのか」ということ。

もちろん手順正しくデザインプロセスを進めて行くことは大切なのですが、盲目的にプロセスに沿っていくだけではなく、この仕事は何のためにする必要があるのか、何のためにしているのかを常に意識する必要があります。

例えば、リッチプロフィールを作成する目的というのは、どんな人にインタビューを行い、どのような知見を得られたかを明らかにし、チーム内であったり、クライント先と共有する事です。

チーム内に対して、と言うのは特定の人にインタビューして、チームメンバー全員がその場に居合わせていたとしても、そこから得られる解釈って本当に人それぞれなんですよね。ある人は発言Aが大事だと思うかもしれないけれど、他の人から見れば発言Aと言うのは大したことが無い内容だと思ってしまうかもしれません。

また、特定の事柄に対して言及したとしても、それを肯定的に捉えているのか、否定的に捉えているのかと言うのは、解釈する人によって違って来る場合があります。インタビューの内容をまとめて誰もが見えるようにしておく事で、そういった思い違いを少なくする事が出来ます。

また、クライアントに対しては、プロジェクを通したデザインの結果だけでなく、そのプロセスを説明する必要もあります。例えば、Bというアイディアが良いですとだけ説明するのではなく、なぜBというアイディアが良いのかを説明する必要があり、その際にはこういったリサーチを行いましたとか、こういった人にインタビューを行い、こういった意見を得られましたなどを資料化しておく必要もあるわけですね。

ところが、ファイナルプロジェクトのように一人で取り組むプロジェクトではチームメンバーも居ませんし、クライアントと言うのも存在しません。アドバイザーはたしかに居ますが、それはあくまでもアドバイザーであり、チームとして一緒に作業するというよりは、適時報告したり相談するような関係ですから、クライアントとは少し違います。

このようなプロジェクトにおいて、リッチプロフィールを作成する必要があるか?と言うと、必ずしも必要では無いわけですね。もちろんインタビューの内容をまとめる必要はあるわけですが、それは自分自身がわかればよいわけです。であれば、インタビューの内容から、必要な箇所を抜き出すことができればそれでよくて、例えば私の場合であれば、カメラをどのように使用しているか、その後の写真をどのように整理し活用しているか、その他印象的な発言を抜き出してテキストでまとめておけば、後ほどの分析に使うには十分だったりするわけです。

最初は、すべてのインタビューについてリッチプロファイルを作成しようとしていたのですが、アドバイザーから上記のような項目について指摘を受け、なるほど、ちゃんと考えて仕事しなければならないなと改めて思った次第です。

人はバイアスの塊であるということ

インタビューも順調に進み、この3日間で10名の方からお話をお伺いする事ができました。インタビューさせて頂いた内容についてはリッチプロフィールという形で簡単にまとめてそこからインサイトを抽出していくのですが、その話をする前にバイアス(思い込み)について少し書こうかと思います。

ddcph.hatenablog.com

上記の記事のなかでは、ハミガキの仕方について同級生にインタビューを行う事によって、自分のの中にある思い込みに気づくというワークショップについて説明しています。

ハミガキだけでなく、世の中のすべてのものに対して人は何らかの思い込みを持っています。それらの思い込みの存在は、クリエイティビティに無意識に制限をかける事もありますし、リサーチの中にある大切な気付きを見逃してしまう事もあるかも知れません。とは言え、人である限り何らかの思い込みは持っていて、完全に思い込みを排除する事は不可能です。大切な事は思い込みを持っているという事を正しく認識する事であり、ダイバーシティのあるチームというものはこういった点でも効果的に働きます。

では、私自身が写真に関するリサーチを行う前に持っていた思い込みというものは何か。それについて書いておこうかと思います。

まず、多くの人は私のように、スマホとコンパクトデジタルカメラを適時使い分けており、たまに一眼レフのようなものも使っていると思って居ました。しかしながらそもそも一眼レフを持っている人というのは世の中を見渡してもそもそもあまり多くないですし、写真を撮るという行為において、デジカメとスマホを使い分けている人という人はそもそもそんなに多くない可能性があります。少なくとも私が話を伺った中では、スマホで写真を主に取るという人はコンデジを持っていたとしてもコンデジをめったに使わない人が多いですし、コンデジを中心に使用しているという人に話を効くと、スマホのカメラはめったに使っていないとのことでした。

また、撮影後の写真についても、私自身は、コンデジの写真も、スマホの写真もすべてGoogle Photoにアップロードし一箇所にまとめて管理をしているため、他の人も、Dropboxか、iCloudか何のサービスを使っているかは分からないが、何らかのサービスを用いて写真を管理しているのだろうと思って居たのです。ところが実際に蓋を開けてみるとPCのフォルダで管理しているという人が圧倒的大多数でいかに自分の使い方が少数派であったかという事に驚かされるわけです。

このように、実際のユーザに対してリサーチを行わずに自分の思い込だけでアイディアを作ってしまうと、実際のニーズからはかけ離れたものになってしまう可能性もあります。ですから、実際のユーザが、どのような事を考えて、どのような事を行っているのかを理解してインサイトを抽出し、オポチュニティを探し出すという流れが基本的なプロセスになるわけです。