デザインダイアローグコペンハーゲン

デンマークのコペンハーゲンでのデザイン留学を通して考えたこと

未来をデザインするために

Future未来を予測すると言ってしまうと大げさなのだけれど、例えばデザインプロジェクトにおいて、20年後とか50年後のためのビジョンを作ってください、のようなものがある。

こういった場合に、いきなり予測するのもそれはそれで面白いのだけれど、ひとつ仮定を置いてしまうのは有効なテクニックであることが多い。

例えば、将来、リアルタイムの高精度な自動翻訳システムが登場することは想像に難く無いわけで、これは言ってしまえば、世界中の人がコミュニケーションを行う上で言語的な障壁が無くなるということなんですよね。そこで、下記のような仮定を置いたりします。

世界中の人が1つの同じ言葉を使っていたらどうなるか?

面白いのは、下記の質問と本質的には同意という事なんですよね。

リアルタイムの高精度な自動翻訳システムが一般化したらどうなるか?

 だけれど、前者のほうがアイディアを出しやすい。おそらくどのような世界になっているかがイメージしやすいんだろうなぁと思います。このような仮定をうまく設定する事によって、アイディアが出やすい環境を作り出し、場をコントロールするというのも大事なテクニックなのだろうなぁと感じます。

 

 

Koldingデザインスクールの卒展見学

Koldingを訪れた目的のひとつはKoldingデザインスクールの卒展を見に行く事です。会場はKoldinghusという湖のほとりに立つお城。こちらは火災でボロボロになったお城をモダンに補修した建物になっていて、建物そのものも見どころ満載なのですが、中は博物館になっています。

その一部のスペースで行われているのがKoldingデザインスクールの卒業展示。中にはところ狭しと作品が並べてあります。Koldingデザインスクールは学部と院があるのですが、こちらは院生の作品のみが展示してあるとのこと。ちゃんと数は数えて居ませんが、学生数は1学年おおよそ50人ぐらいとのことなので、展示数もそのくらいなのかなと思います。

なおKoldingデザインスクールの卒展の特徴として、各学生は必ず、どこか外部の企業や組織をパートナーとして、卒展制作に取り組まなければならないという事。例えば自分が靴のデザインに興味があれば靴会社かもしれませんし、新しいおもちゃをデザインしたいのであればおもちゃメーカーかも知れません。そして面白いのは、そのパートナー探しは学生自身で行わなければならないという事。

パートナーを自分で探すというのは大変そうだなぁとは思うものの、とても面白そうだとも思います。だって、デザインをするという事は現実世界に何らかのインパクトを与えなければならないわけです。

例えば、新しい検索サイトをデザインしましたと言ったところで、それをどうやって現実世界にインプリメントするのかが問題になるわけです。もちろん、自分で起業して新しい検索サイトを立ち上げるという事もありかもしれませんが、それってあんまり現実的じゃないですよね?それよりは、すでにある検索サイトであったりだとか、インターネットの大手起業などとパートナーを組んで検討を行うのがより現実的だと思うのです。

そういう意味で、このようなルールが卒展にあるのは非常に面白いなと思います。完全に自由に取り組むのも自由度が高くて面白いかもしれませんが、卒業後実際に仕事する事を考えると、これはこれで学生のためになりますしね。

ファイナル・プロジェクトを始める前に考えること

本日から本格的にファイナル・プロジェクトに取り組んで行くわけですが、実際のリサーチだとかプロトタイピングに入る前に、まず次のような事柄について明確にする事を求められます。

ファイナル・プロジェクトからどのような事を得たいか

ファイナル・プロジェクトと一言で言っても、そこから得たいものというのは人に寄ってそれぞれ異なる事が多いはずです。ですので、これについて説明する事が求められます。例えば、将来の計画とかでもそうでしょうし、個人としての成長などが主目的な人も居るでしょう。ここで注意すべきは、特定のトピックとは別に考えるという事です。

例えば、音楽関係のプロジェクトに取り組むことによって、音楽に対する知識や理解を深めるなど短絡的な目的を設定するわけではない、という事ですね。

私の場合は、このプロジェクトを元に起業したいわけでもないし、ポートフォリオに載せられるような立派なひとつのプロジェクトになれば良いなとは思うものの、私の場合は過去にも色々なプロジェクトに取り組んできていますから、これが直接自分自身のキャリアプランに大きな影響を与えるとも考えにくい。

そこで、私の場合は、デザイン、もっと言えばデザインリサーチについて理解を深める事を大きな目的として設定する事にしました。またこれをポートフォリオに載せる事によって、自分がデザインリサーチ出来ますよってことを示す事ができれば尚良いなとも思っています。

自分の興味があることについて

ここからメインに入って行くわけですが、ファイナル・プロジェクトで取り組むトピックについて、どのような事に興味があるかを説明するわけです。

ただし、これは必ずしも最終的なトピックとなるわけではなくて、リサーチを行っていく上で最初の取っ掛かりとなるような物を想定しています。 

私の場合、自分が好きなことを最初の取っ掛かりとして設定しようとしました。具体的にはカメラであるとか、旅行であるとか、音楽であるとかですね。

で、自分の思いなどをつらつらと説明しようと思ったのですが、もっと絞った方が良いのかなと思い、また自分のこれまでの経験を活かせるという意味でもカメラ、写真をテーマとして設定する事にしました。また、旅行や音楽とも関わりを持たせたいなという事で、旅行や音楽活動時の撮影だとか、その後の整理活用に関する体験をもっと素敵なものにするためのデザインが出来ないかと考えました。

このプロジェクトの妥当性について

特定のテーマに対していくら興味があったとしても、それがニッチ過ぎたり、問題が小さすぎては意味がありません。ですので、自分の興味があるテーマが、いかに重要であるかを説明する必要があります。

私の場合は、みんなたくさん写真を取ってそれらを保存しているけれど、それらを十分に活用出来ているとは言えない。撮りためた写真の価値を高め、それによって撮影行為そのものをもっと良い体験に変える事が出来るのではないかという点を説明しました。

ファイナル・プロジェクトにおけるチャレンジについて

ファイナル・プロジェクトに取り組むにあたって、自分自身がどのようなスキルを持っているか、どのようなスキルを持っていないか、どのようなスキルの習得に挑戦したいかについて説明します。

私の場合だと、プログラミングだとか、フィジカルコンピューティングについては十分なスキルがありますが、グラフィックやUIデザインだとか映像編集、ユーザリサーチについては十分なスキルがあるとは言えず、この辺りに積極的に挑戦したいと考えています。

関連するプロジェクト

興味のある分野を考えたとして、これまでに誰もその分野に対してデザインを試みたという事はめったに無いでしょうし、少なくとも関連製品やサービスなどはあるはずです。詳細に説明する必要はありませんが、そういったものの画像だとかリンクなどを挙げておきます。

私は撮影した画像を活用するものとして、フォトブックやデジタルフォトフレーム、AppleTVやGoogle Chrome、思い出箱やJewelry box、その他nohanaやレター等のサービスを挙げてみました。多分他にもあるでしょうが、それはこれから詳細に調査していくのかなと思っています。

どこから始めるか

デザインプロセスのスタート地点を宣言します。人によっては使用可能な技術に関する調査かも知れませんし、ユーザーグループや競合調査かも知れません。

私の場合は、まずどのような製品、サービスがあるかを調べること。そして実際のユーザがどのように写真を管理して活用しているかについて調査して行くこととしました。

ここまでの経過について

このセクションでは、ファイナル・プロジェクトについて、これまでどのような事に取り組んできたか、例えばリサーチをしてきたかだとか、プロトタイピングを行ったかだとかについて記述します。

私の場合は、これまでほとんど何も取り組んで居ませんが、人によってはこれまで既に十分な調査をしてきた人も居ますし、そういった場合に記述していくのかなと思います。

と、上記のような事について考えて説明する必要があるわけです。いきなり思いつくままに作業に取り組むと、迷子になる恐れもあります。このような項目を整理してからデザインプロジェクトに取り組んで行くことで、アドバイザとしてもプロジェクトの方向性を把握しやすいですし、方向性に迷った時はこのドキュメントに立ち返る事ができます。

ソフトウェア開発に於けるアジャイルではプロジェクト開始時にインセプションデッキという物を作る事を推奨していますが、これに近いものと考えると、ソフトウェア開発者的にはわかりやすいかも知れません。

 

オールボーとオーフスの図書館に

Skagenからの帰り道、オールボーと、オーフスの図書館に寄って見ました。私は元々そこまで図書館に興味があったわけではないのですが、先日のプロジェクトで図書館に関わってから、図書館のあり方であるとか、他の地域の図書館がどうなっているかだとかが気になるようになってしまったのです。

さて、まずはオールボーの図書館なのですが、ここで面白いなと思ったのはゲームゾーンの充実ぶりです。結構大きめのテレビが5台ぐらいと、PCが10台ぐらい並んでおり、自由にゲームが遊べるようになっています。

またアーケードゲームも置いてあり、これらはコインを入れなくても自由にプレイ出来るようになっていました。

日本の図書館で、ゲームが置いてあるところってあまり私は聞いたこと無いのですが、デンマークにおいては、コペンハーゲンの図書館も含めて必ずと言っていいほどゲームが置いており、借りたり、そこで遊んだりする事ができるようになっています。

図書館は市民と文化のタッチポイントであり、ゲームもひとつの文化であると言ってしまえば、図書館にゲームがおいてある事に何ら不思議は無いのですが、日本で同様の事をやると、不真面目だとか、なんだかんだいちゃもんがついて難しいのではないかと思うのです。

さて、次に伺ったのはDOKK1と呼ばれるオーフスにある図書館です。こちらは昨年オープンされたとかで建物そのものもそうですが、非常に格好良いですよね。

図書館の中に入ると目に入ってくるのがこちらの返却機。本を投入すると自動で本が分類されて、見ていて非常に面白いです。

さて、中を見ていきましょう。個人的に面白いなと思ったのは、下記の写真のようにMaker向けのスペースがあるという事。3Dプリンタなんかも置いてあります。図書館にMaker?というちょっと良くわからない組み合わせではありますが、これもひとつの立派な文化として認知されつつあるということでしょうか。

また、デンマークの図書館ではお馴染みゲームコーナーもあります。こちらはテレビゲームだけでなく、ボードゲームも充実。

また、子供向けではありますが、音楽のワークショップも開催されていました。

どうしても私の中では図書館=本を借りる場所という固定観念があり、実際そのような使い方しかしてこなかったのですが、ここデンマークの図書館を訪れると、そういったイメージは完全に裏切られます。

使い古された言葉ではありますがマルチメディア時代を迎えてしばらく経つ現代において、図書館が果たすべき役割にも変革を求められて居るのだなぁと感じました。

デンマーク最北端Skagenに

デンマーク最北端にSkagen(スケーエンと読みます)という土地があります。ここは、2つの海が交わる場所でして、左右から来る並がちょうどぶつかるという事で、デンマークでは非常に人気のある観光スポットとなっています。私もデンマーク滞在中に是非行って見たいと思って居たのですが、行くなら夏だよ!と友人に言われた事もあり、夏野終わりの週末を利用して訪問してきました。

コペンハーゲンからSkagenへの行き方としては、飛行機でAalborg(オールボー)まで飛んで、そこから電車で向かう事も出来ますが、行くなら天気の良い時を狙って行きたいという思いから、あえて予約など一切せずに、コペンハーゲンからひたすら陸路で向かうこととしました。

金曜日の夕方、学校が終わるとコペンハーゲン駅に向かいます。乗ったのはこちらの列車。相変わらずタイヤみたいです。

車窓からの風景。

そして夜の9時過ぎに、オールボー駅に到着。コペンハーゲンからここまで約4時間かかっています。とは言え、デンマークの電車の中ではWiFiも使えるし、電源もありますので、そこまで退屈する事も無く。私の場合、旅行中はKindleで読書する事が定番なのですが、本に夢中になっていたらあっという間の到着でした。

この日は、とりあえずオールボーで宿泊します。Skagenまで行っても良かったのですが、安い宿がほとんど無さそうだったので、ここまでにしておいた方が良いだろうという判断です。

翌朝の、オールボー駅。

9時前の列車でまずはFrederikshavnという所に向かいます。だいたい1時間ぐらいだったかな。

Frederikshavnでこちらの列車に乗り換え、さらに北上します。Skagenまでは小一時間と言ったところ。

そして到着したのがこちら。Skagen(スケーエン)駅です。

駅舎もそうなのですが、Skagenは黄色い建物が立ち並んでいることでも有名です。調和が取れており、非常に美しいです。

そしてSkagen駅から1時間程度歩くと、今回の目的地であるデンマーク最北端の地につきます。 

なお、砂浜には何匹かアザラシがおり、観光客の人気者となっていました。かわいいです。

ファイナルプロジェクト、キックオフ!

ついに本日、ファイナル・プロジェクトのキックオフが行われました。

以前にも書いたかもしれませんがもう一度紹介するとファイナル・プロジェクトと言うのは日本で言う卒業研究だったり卒業制作のようなもので、コースの一番最後に学生が取り組むプロジェクトです。

CIIDのプロジェクトと言うのはグループワークが基本で少なくても2人、多い時は5人のグループで取り組むのですが、このファイナル・プロジェクトに限っては学生それぞれが一人で取り組む事が求められています。

さて、キックオフでは学長のSimoneからプロジェクトの概要についての説明がありました。進め方ですとか、スケジュールですとか、最終のプレゼンテーションについてやエキシビション、それから評価についてなど。

まず進め方については学生それぞれにアドバイザーが割り当てられます。所謂指導教授のような存在でしょうか。CIIDのコンサルティングやリサーチ部門の人が担当する場合もあれば、IDEOなど外部のデザインファームの人がアドバイザとして割り当てられる事もあります。

このアドバイザーと学生のマッチングをどうやって決めているのかについてですが、基本的には自分の興味分野ですとか、プロジェクトの方向性などを事前に学校側と共有しているので、それを元にマッチングを図っているのではないかと思います。

例えば私の場合は、技術的なところの心配はあまり無いし、ビジネスに関する知識も一通りある。だけれどデザインに関する経験が殆ど無く、特にファイナル・プロジェクトではリサーチに力を入れたいと伝えてあったためか、CIIDのリサーチ部門から、ユーザリサーチの専門家をアドバイザとして付けて頂きました。

他の人の場合も、直接確認したわけではありませんが、学生と補完関係になるようにと言いますか、学生自身が学びたいと考えているところをしっかり学べるように、かつプロジェクトの志向性などを考慮してそれぞれ割り当てられているように思いました。

とりあえずは来週から本格的にファイナル・プロジェクトを進めて行くわけです。最初に2週間のゴールはプロジェクトの方向性を決める事とのことなので、早速リサーチなどに取り組みつつ、興味領域を絞り込んで行けたらと考えています。

デザインと特許の話

デザインスタジオ、デザインスクールの中では数多のプロジェクトが生まれては死んでいきます。私は以前から、質を生むためには量が重要であると信じていますので、これに関してもったいないとか、無駄だとか言うつもりは毛頭ありません。だけれど、日々生まれては消えていくプロジェクトを見ながら、もっと活かす事が出来るのでは?と考える事がよくあります。

私が日本で働いていた時は、日常業務の中に特許提案が入り込んで居ました。部署のミッションとしては新規事業検討だとか研究開発などでしたが、毎年特許提案のノルマがありました。それこそ雑巾を絞るように、今検討中の製品や機能をどうすれば特許化出来るかと考えるような環境でした。そのおかげで、日本企業としては特許登録件数でここ10年以上1位をキープしており、それが競争力を支える要素であったとも言えるわけですが。

それに対してここCIIDでは、特許に関する話を聞いた事がありません。もちろん、デザインスクールと言う性質上、ここで重要な事は、いかにしてユーザを理解して、いかにして新しい物を生み出すか、いかにしてそれをビジネスにつなげるかなどですから、特許に関する話のプライオリティが低くなるのはわかります。真面目に特許の話なんかしだしたらあっという間に時間が過ぎてしまいますし、学生に対してまともに特許書けるように教育しようと思ったら、それだけで半年やそこらの時間が必要になってしまうはずです。

では、実際問題、デザインの現場で特許の事を考える必要はあるのでしょうか。幾つかのパターンにわけて考えて見たいと思います。

デザインファーム、デザインスタジオの場合

こういった現場の場合、企業から依頼を受けて仕事を行う事が一般的かなと思います。仕事の内容や仕事の形態としては、色々かなとは思いますが、将来の新規事業であったり新商品に関する仕事が多いのではないかと思います。

ただし、ここで取り組んだ事がそのまま事業になるかと言うと、そういう場合ももちろんあるのでしょうが、比較的少ないのではないかと思いますし、そもそも事業化までそれなりに時間がかかる事が多いのではないかと思います。そういう意味では、特許の出願件数を稼ぎたいと言う場合を除けば、デザインファームとして仕事を受けている段階で特許検討を行うのは時期尚早と考える事も出来るでしょう。

しかしながら、デザインファームのアウトプットのひとつとしてプロトタイピングがあります。プロトタイピングを行う際には「アイディアがどう動くか」「どのようなタッチポイントがあるか」「ユーザにとってどのようなベネフィットがあるか」と言う点の検討を行うわけで、実はこれさえ明確になっていれば特許出願するのってそこまで難しく無いはずです。実際に特許出願まで持って行かなくても、実際の事業化に向けて、検討だけはしておくと言うのは大いに考えられるパターンだと思います。

また、事業化までは行かなくても、自分たちのためのプロジェクトなどに関して特許検討を行うのは、将来的な収入源となる可能性があると思います。

起業する場合、スタートアップの場合

起業する場合、自分たちのアイディアは事業化がほぼ決まっていると言っても過言では無いわけですから、それをいかにして守るかと言う点がポイントになると思います。そういった点において、特許を有効に活用する事が成長のための鍵になる事もあるはずです。その他にも、例えば下記の記事にもあるように、それなりに意味があるようです。

ipfbiz.com

しかしながら、スタートアップの場合、十分なリソースが無い事も事実で、開発にリソースを割かなければならない状況でどこまで特許のことを考えるかという問題もあります。特許と言うものは出願したとしても公開、登録までに結構な時間がかかるのが常でして、刻一刻と状況が変わるスタートアップにおいて、これらの有効性には議論の余地があるとも言えます。

大企業の場合

大企業の場合は、特許の持つ意味というのが比較的に複雑になっています。例えば、特許出願を会社としての戦略として位置づけている場合があります。こういった場合は将来の製品化とは関係なく特許の出願を行う事が良くありますし。自社製品を守るだけでなく、他社への牽制であるとか、将来のクロスライセンスの材料にするなど様々な活用方法が考えられるからです。また、通信まわりの特許などはそれを標準化を見越して自社で特許を抑える事もありますし。

また、少し不毛と言えるかもしれませんが、特定の技術の開発者を明らかにするために、逆に言ってしまえばThank you for ideaと言う感じで他のチームが開発した技術を使って成果をあげた場合に、技術開発チームを評価するために特許などを使うと言う場合もあるかも知れません。

で、結局どうなの

いくつかのパターンにわけて考えてみたわけですが、結局のところ特許または特許制度をどのように自社で活用していきたいかと言うところがポイントになりそうな気がします。将来的に自分たちの持つ特許をライセンシングする事によって、それをひとつの収益源としたいですとか、自分たちのアイディアを競合から保護したいですとか、オープンイノベーションを推進したいですとかであれば、デザインプロセスに特許検討のプロセスを組み込む事のメリットがあると思います。

また、個人的にはデザインプロセス自体が特許検討と比較的親和性が高いと思っていますので、最終的にはリソースですとかとの相談にはなってくるものの、特許検討が有効に活きるシーンと言うのは少なくないのではとも思っています。

では、どうすればデザインプロセスに特許戦略を組み込めるか。これについては次回にでも。